第72回日蓮宗全国檀信徒協議会総会
復興に心を寄せて石川県で開催
信仰の継承、被災地支援
宗門の寺院顕彰のさきがけとして
■総会
第72回日蓮宗全国檀信徒協議会総会が6月11日に、石川県金沢市立像寺を会場に開催された。
本年は「令和6年能登半島地震」の災害に見舞われた石川県の復興の一助となるべく、同総会と団体参拝を石川県で開催することした。
総会では昨年度の活動報告がなされた後、昨年度収支決算、本年度予算案・活動計画案が審議され承認された。
令和5年度に発行された「信仰の継承」をテーマにした小冊子『お寺は誰のためにあるの―菩提寺読本―』の頒布状況や、各管区檀信徒協議会から預かった義援金や寄付などの報告もあわせて行われた。
審議終了後は石川県第2部宗務所長の大句哲正師が、令和6年能登半島地震の被害状況・復興状況について講演をした。大句師は自坊の珠洲市本住寺の本堂が全壊するなど、最大級の被害を受けた1人でありながらも、同地震で被害が一番大きかった管区の宗務所長として、管内の被災状況の把握や復興への支援の呼びかけに奔走してきた。地震発生から今日に至るまでの状況を目のあたりにした被災者の生の声を聴くことで、檀協の会員たちは被害の状況や被災者の苦悩を深く知ることができた。講演から得た知見は、それぞれの管区に持ち帰られ、さらなる支援と復興への継続的な祈りに繋がることだろう。今年度の総会を石川県で開催したことはたいへん意義深いものであったと、多くの出席者が確信することとなった。
■団体参拝
総会後には、羽咋市本山妙成寺への団体参拝が1泊2日で行われ、有志約30人が参加した。妙成寺は日蓮聖人の孫弟子で京都弘通の遺命を受けた日像上人を開祖に建立された古刹。700年余りの歴史があり、10棟もの木造建築物が国の重要文化財に指定されている。現在、同建造物の国宝昇格への運動が地域と一体となって行われている。また国歌「君が代」にうたわれているさざれ石など、数多くの見所があった。
総会後の団体参拝は、全国檀信徒協議会の活動の「祖山・霊跡・由緒寺院・宗門史跡護持顕彰」の一環として平成25年から継続的に行われている。管区の檀信徒の代表者ともいえる総会出席者が、さきがけとなって祖山・霊跡・由緒寺院・宗門史跡護持顕彰を行うことが、管区や個別の寺院の団体参拝実施の促進につながっていくと期待されている。

