奥田 智一 氏
全国檀信徒協議会常任委員
愛知県名古屋市檀信徒協議会長
中部教区檀信徒協議会会長
名古屋市妙傳寺世話人信徒総代
昭和19年1月1日生まれ
趣味:神社・仏閣巡り
新型コロナウイルス感染症対策として3密回避、不要不急の外出自粛などが叫ばれています。そのためか、お寺に出かけることも躊躇しなくてはなりません。結果として、宗門の応援団である檀信徒協議会は活躍の場がかなり削がれてしまっています。宗務所行事は一般檀信徒の参加がほとんどできなくなり、また、多くの寺院が行事の中止、縮小を決め、僧侶だけのお参りが主体となっています。ステイホームといわれている現状なので、檀信徒はお寺にさえ自由に行けなくなっています。新型コロナウイルスが発生してから1年数ヵ月、ようやく、ワクチン接種が始まり、新しい治療薬が開発されれば、そのうち落ち着くと思われます。
さて、今年は日蓮聖人降誕800年の貴重な年です。日蓮宗徒としての誇りと自覚を持ち、自身の信仰を一層深める年にしなくてはなりません。そのために、私は今、何をするべきかを考え、聖人や法華経に関する書物を再度読み返しています。何度も繰り返し読むことが、お釈迦さまの誓願(人びとの苦しみを救いたい)を理解することにつながり、日蓮聖人が私たち凡夫のために救いの道をお示しになられた南無妙法蓮華経をお唱えすることの大切さが解ってきます。ご遺文には、お題目をお唱えすることが仏になる道だと説かれています。昨年12月5日、池上本門寺をメイン会場として、オンライン唱題行全国大会が開催されました。私は名古屋会場の熱田区本遠寺に行き、インターネットを通じて、本門寺の皆さまとともに、同時刻に唱題行を行うことができました。唱題行とは、呼吸を調え心を静めて自己と向き合い一心にお題目をお唱えする修行法です。背筋をまっすぐに伸ばして合掌し、静かに呼吸しながらお題目をお唱えすれば、不思議な力が湧き上がってくるのが感じ取れます。
私は今から50数年前に、湯川日淳上人から唱題行をご教授賜りました。以来、全身全霊をもってお題目をお唱えしています。なんでそんなに元気なのかとよく、聞かれます。それは、南無妙法蓮華経とお題目をお唱えしているからですと返答いたします。
現在、名古屋市内で毎月決まった日に唱題行が行われているのは、本遠寺、松延寺、法音寺と聞いております。もっと唱題行が広まることを心の底から願っています。今日、大勢が一堂に会しての唱題行は難しい現状です。檀信徒協議会主催の唱題行研修会も昨年は中止となりました。そこで提案ですが、お仏壇に向かわれた時、1人唱題行をしてみてはいかがでしょうか。朝夕の勤行の時、たとえ僅かな時間でも唱題行を実践すれば、きっと心身ともに充実し、頑張ろうという力がみなぎってきます。間違いなく元気になれることでしょう。生きていること生かされていることに深く感謝し、大勢の人びとのお陰で、命あるあらゆるものに感謝し、合掌礼拝して、一日一善を心がけましょう。また、八正道を積極的に実践することで、日蓮宗徒としての信仰がより深まると信じます。命ある限り、自己研鑚に努め、人さまのために尽くすことを最優先する生き方を全うしたいと思っています。