福井県中部檀信徒協議会会長
福井県越前町蓮蔵寺総代
安井 賢二 氏
私は毎日、菩提寺の福井県越前町蓮蔵寺(奥野文英住職)で午前5時から朝のお勤めで日蓮聖人のお言葉を、仲間と声に出して読んでいます。この朝参りは、平成15年の寒の入りから始めました。寺の長男が日蓮宗加行所(荒行堂)で第三行の修行に入ったとき、檀信徒にできることは朝参りと決め、最初は2人で始まりました。本堂では暖を取らず、氷点下3度の日も、お供えのお水が凍る日も、大雪で歩く以外に寺に行けない日も、365日1日も休まず続けてきました。
毎日行うことで、他の檀家の人も49日参り、月命日参りとしての参加者が増え、多い日は20人くらいになります。毎日実施していることから、安心して連絡なしで遠方から来る人もいます。住職が留守のときも、仲間でお経が始まります。
寺離れが進んでいると言われていますが、私の菩提寺では寺と檀信徒とのコミュニケーションが取れていると感じます。他に以下のような事業を檀信徒と寺とで連携して取り組んでいます。
◎団体参拝
七面山・身延山久遠寺輪番給仕、千葉方面などへの団体参拝をしてきました。今年は佐渡の3本山などを巡る計画を立てています。
◎題目岩参行
日本100霊山・越知山の木の芽谷コースの途中に蓮蔵寺開祖・日怡上人が正徳4年(1714)に建立した題目碑があります。自然石に彫られたもので江戸期には多くの参拝者が訪れたそうですが、荒れてしまい忘れられた存在となりました。最近登山コースで発見されたのを機に、蓮蔵寺檀信徒が毎年4月15日に団参し、清掃などをします。
◎「除夜の鐘つき」のつどい
住職の第1打で始まり、参加者全員が鐘をつきます。つきながらみんなでぜんざいを頂きます。その後、本堂で新年初の朝参りをして、参拝者全員で新年の誓いを立てます。
※これからも菩提寺と檀信徒の間を取り持ち、檀信徒1人ひとりが自主的に寺参りできるような寺を目指して努力していこうと思います。紹介した取り組みがヒントとなり、全国の日蓮宗寺院の活性化につながれば幸いです。