だんしんきょう 令和2年 8月号

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開催日:2020年08月01日

森 英介 氏(71)
全国檀信徒協議会常任委員
千葉教区檀信徒協議会会長
千葉県南部檀信徒協議会会長
衆議院議員
法華一乗会会長
勝浦市本壽寺名誉総代
昭和23年8月31日
趣味:読書、音楽、料理

日蓮宗と私

 私の郷里、千葉県勝浦市は、旧天津小湊町(現鴨川市)の隣町である。ご承知の通り、旧天津小湊町は、日蓮聖人ご生誕の地であり、立教開宗の地でもある。私どもの出身地である旧興津町守谷は、勝浦の中でも小湊寄りで、誕生寺から車でわずか15分のところである。すなわち、私ども一統は、日蓮聖人と同郷ということになるわけである。私は、そのことを誇りとしている。
 そんな土地柄のせいか、この地域には、日蓮宗の寺院が多い。ちなみに、守谷は戸数200足らずの海に面した寒村であるが、ただ1つのお寺、本壽寺は、当然に日蓮宗である。そして、守谷の住民や出身者は、我が家を含めてほぼ全員が本壽寺の檀家である。
 こういう空気の中で、地域の生活の中にも日蓮宗が深く溶け込んでおり、人びとは、今日もなお、それを自然に受け入れている。年配の女性たちの多くは、法華経を読経する時の基本である開経偈、方便品、お自我偈などをそらんじていて、法要の折などにうちわ太鼓を叩きながら唱和する。
 私ごとにわたるが、私の祖父は、この守谷から出て化学工業を興した立志伝中の人で、後年、衆議院に議席も得た。この祖父は、日蓮聖人の生き方に深く感銘を受け、「我、日本の柱とならん」というお言葉を自らの信条として事業に邁進した。その祖父を初代として、祖父の実弟、伯父たち、父と、我が一統は代々、房総の皆さまのご支援に支えられて衆議院議員を務めてきた。かく言う私も、亡父の後を継いで、平成2年に衆議院選挙に初当選し、以来、今年でちょうどまる30年、国政の場で働かせていただいた。
 その間に日蓮宗ともずいぶんご縁が深まった。千葉県においては、平成7年5月から千葉県南部檀信徒協議会長を務めている。勝浦市出身の先達で元参議院議長の故長田裕二先生が長くこの役職を務めていたが、参議院議員引退後、私を後任に指名してくださったのである。
 また「法華一乗会」という議員連盟がある。日蓮宗の檀信徒である国会議員の集まりであり、平成19年3月に故・堀内光雄衆議院議員を会長として発足した。私は、この議連で幹事長に任ぜられ、身延参詣、宗門との意見交換会など諸活動に参加してきた。その後、2代目会長・谷垣禎一先生の政界引退に伴い、平成29年から私が会長の任に就くことになった。私にとってはいささかか荷の重い立場であるが、日蓮宗のために少しでもお役に立てるよう、微力を尽したい。
 さて、日蓮宗にとっての現下の最重要課題は、明年に迫った日蓮聖人降誕800年記念事業を成功裡にとり行うこと、そして、それを今後の日蓮宗の発展に効果的に結びつけることであろうと思う。もちろん、その取り組みの主体は宗門に担っていただくわけだが、足元の檀信協としても、また、法華一乗会としても、その目標を達成するために精一杯ご協力をさせていただきたいと思っている。

 

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