杉村静一 氏
全国檀信徒協議会前常任委員
富山県檀信徒協議会前会長
高岡市妙国寺総代
昭和11年10月10日生まれ
趣味 読書
ご縁により約8年間、日蓮宗全国檀信徒協議会の常任委員(監事)を務めさせていただきました。思えば故・江守幹男前会長の時代からですので、ずいぶん長く皆さまにお世話になりました。心から感謝いたします。
江守前会長、池上幸保会長をはじめ同僚の皆さまと親しく交わり、お題目の結縁という共通の使命を持って努力した日々は、私にとって貴重な時間でした。東日本大震災後のご本尊と数珠の寄付、冊子「合掌」の配布、日蓮宗新聞の購買拡張など、みんなで力を合わせて行ってきました。その中で信仰心が深まり、自分自身の人生が浄化されていくような気持ちになりました。池上会長の代になってから、常任委員会や定期総会の終了後に全国各地の本山寺院などに団体参拝を行うようになりました。海外団参の時は体力に自信がなくお休みさせていただきましたが、それ以外はほとんど参加させていただきました。信仰を同じくする者同士で巡る参拝の旅では、皆さんから学ぶことがたくさんありました。
こういった檀信徒協議会活動に携わった8年間は、とても有意義な時間であり、私の生涯の宝とも言えるひとときでした。これはすべて、お題目を唱えることによって生まれたご縁によるものです。改めて今、お題目に出会えたことに深く感謝いたします。
息子の代理で出席した平成27年の檀信徒青年リーダー研修も、今となってはいい思い出です。出席予定の息子が仕事の関係で当日になって急に出席できなくなり、急遽私が代理で出席することとなったのです。会場に着いてみれば周りは若い人ばかり。当時から信仰の継承が檀信徒協議会の課題でしたが、若い人の一生懸命な姿を見て、私もまだ頑張らなければと思いました。「杉村さん、青年リーダー研修の出席者の最年長記録ですよ」と言われて苦笑いしたのです。
私は6月6日に東京の日蓮宗宗務院で行われる総会を最後に、常任委員を退任します。今後は一信徒として菩提寺の護持発展と宗門の興隆に協力してまいります。朝夕のお勤めの時、信仰を通じて全国のみなさんと一体であると思ってお題目を唱えていこうと思っています。
最後に、私の菩提寺の縁起などを記しておきます。富山県においでの際にご参拝いただければ幸いです。
日向山妙国寺(高岡市片原町52)。永禄4年(1561)、信命院日全上人が開山しました。約650年前、守山城下で田畑から読経の声が聞こえるので、農夫が掘ったところ、お像が出土。これを近くの庵に預けました。これが妙国寺に伝わる大覚大僧正作とされる「お腹籠りの日蓮聖人祖師像」です。このお像は50年に1度だけ開帳される秘仏で、次の開帳は2021年頃になります。このほか、文化勲章を受章した東京藝術大学教授の畑正吉氏が設計した萬霊塔や1747年鋳造の梵鐘、檀信徒の仏具職人による数々の瓔珞などが格護されています。