新春ご挨拶
日蓮宗全国檀信徒協議会
会長 池上 幸保 氏
明けましておめでとうございます。平成二十七年の新年にあたり、謹んでお慶び申し上げます。
さて、本年四月から宗門運動後半の第三期開花活動が始まります。
宗門運動は、お釈迦さまの説かれた至高の教えである法華経に基づき、日蓮聖人がお示しくださった「南無妙法蓮華経」のお題目を弘め、安穏な世の中を作っていこうということです。
私たち檀信徒も受け身の姿勢ではなく、この運動に積極的に関わっていかなければならないと考えております。具体的に私たちが果たすべき務めとはどのようなものなのであるかといえば、その第一は「信仰の継承」、第二は「日蓮宗徒の自覚」であると考えます。
私たちの国は勤勉な国民性を如何なく発揮し、戦後の荒廃から見事に復興し、豊かで安全な社会を作ってきました。しかしながらその一方で、物質的な豊かさを追い求めることばかりに目を向け、豊かな心を育むことには余り目を向けなかったのではないでしょうか。最近の世相を見ると、考えられないようなできごとが増えてきていることに驚かされます。その例を挙げればきりがありません。この背景にはこのことが大きく影響していると思えてなりません。
目に見えない神仏のご加護によって生かされているとの認識が途絶えつつあることが、信じられないような行動をとる人たちを生み出している原因の一つではないでしょうか。
殺伐とした社会にならないようにするために、家庭での信仰をしっかりと伝えていかなければなりません。
さらに私たちは、菩提寺を大切にし、個人の信仰を深めるだけではなく、日蓮宗徒としての自覚を持つことが大切です。そのためには宗門についての理解を深める必要があります。菩提寺以外の寺院も大切にし、色々な行事に参加し多くのお上人のお話を聴き、宗門の刊行物を読むなどして、宗門に対する理解を深める必要があります。
私たち檀信徒が宗門の活動を通して、心が迷っている人や、正しい教えを求めている人に道を指し示すことによって、安穏な社会づくりに貢献することができるのだと思います。優秀な技術や製品だけではなく、「豊かな心」を輸出できる国にしたいと願っております。
末筆になりましたが、今年一年の皆さまのご健康と、ご多幸をお祈りし新年のご挨拶とさせていただきます。
南無妙法蓮華経