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山科檀林旧跡

了光山 護国寺

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寺ブログ

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最近、直葬というお葬式のスタイルがあると聞きました。一体どのようなものですか?

直葬(ちょ くそう)とは、お葬式をせずに火葬だけすることを言います。つまり宗教儀式そのものを省いた行いです。近年その割合が急増し、首都圏では20~30%、地 方でも5~10%が直葬だと見られています。昔から、生活困窮者や天涯孤独者は直葬が行われてきましたが、それが一般に広まり始めているのが、最近の特徴 です。
 さぁそこで、なぜ直葬が増えているのでしょうか。その理由としていくつかが挙げられます。

①、平均寿命の伸長による、超高齢者の死が増えてきて、家族が高齢者が死ぬことにより、面倒が済んだという意識をもつ人が増え、死者に愛着がなく単に死体処理としての葬儀を行う人が増えてきています。つまり、社会的儀礼としてのお葬式の必要性が薄れてきているのでしょう。

②、格差社会が進み、生活困窮者そのものが増えてしまい、葬儀費用を支払えない人が多くなった。

③、「神も仏も信じない」無信心の人が多くなり、宗教離れ、とりわけ仏教離れが進んでいる。

④、通夜・葬儀という儀礼に意味を覚えない人が増えて、お葬式を金銭や時間、手間の「ムダ」と考える人が増えた。

⑤、メディアでの報道により、直葬が「市民権」を得つつある。

以上、直葬が行われる理由をあげましたが、実際に直葬を請け負う葬儀社が次のように警鐘を鳴らしています。

「直葬」は「直送」でしかありません。お別れの時間を排除した考え方で、その結果、長期に渡り、故人の死を受け入れることが出来ない人達が増え、一種の社会問題となりつつあります。

また、他の葬儀社は直送の利点と欠点を、次のように述べています。

メリット
・ご遺族の葬儀費用の負担が、軽減されます
・祭壇や会葬者に対する接待の費用が不要になります
・葬儀式をおこないませんので、本当に親しい人たちだけでお送りすることができます。

デメリット
・告別式などの儀式を行わないので、十分なお別れを行うことが難しくなります
・訃報を知らされず参列できなかった方のケアを考えなければなりません。

 ここで問題になってくるのが、お金(費用)の事です。やはりお葬式にはお金をかけられないということでしょうか。日本の お葬式は世界的に見ても高額な費用がかかることで有名です。平均230万円かかるとも言われています。これには誰しも驚きを隠せません。出来ることなら費 用は少なく済ませたいと思うのは誰もが思うところ。そこで安易に費用がかからない直葬という選択肢を選んでしまうと問題が生じてきます。
 超高齢者の場合ではなく、現役の若い方を直葬にしてしまうと、後々けっこう困る事があるのです。それは、訃報を知らされず参列できなかった方々のことで す。お葬式に参列したかったという方が必ずおられるからです。亡くなった事を確認しないと、周りの人達もどこか気持ちが落ち着きません。だから後になっ て、せめてお焼香させてくださいと言ってくる人がけっこういます。お墓参りも同様です。そうなると遺族は簡単に済ませたつもりが、よけいと手間がかかるこ とになります。直葬はかえって面倒になることもあります。
お葬式

 なぜ私たち人類は、人が亡くなるとお葬式という宗教儀式をしてきたのか、もう一度深く考えることが必要です。一体、お葬式にはどんな意味があるのか。

 お葬式は、亡くなった人をご縁として、無常を見つめ、生きる最も大事なことを知る事ができる唯一の行事です。私たちは、生きることに慣れてしまって、い ま自分が生きてることさえ忘れています。でもお葬式という宗教儀式を行うことで、鮮明に「死」を感じ、受け入れ、生というものが強く感じることが出来ま す。
 また、近年欧米のある病院では、余命数ヶ月の患者本人やその家族、友人を集め病院内でパーテイを定期的に開く試みが実験的に行われています。そしてその 集まりは、患者が亡くなってからも「故人を偲ぶ会」として続くそうです。続ける目的は、大切な人を失った遺族の心の喪失感、悲しさ、寂しさからくる精神的 苦しみを少しでも和らげる為です。なんとそのルーツは枕経、お通夜、お葬式、初七日法要、四十九日法要、一周忌と続く、亡くなった方を定期的に敬い弔う日 本の文化にあります。皮肉なことに、日本人が忘れつつある思いやりの心を、外国の人が学びはじめているのです。今一度、この事を私たちは深く受け止めたい ものです。
 
 人はいつかは必ず死にます。その人生において最も大切な事は、どのように生き、どのように亡くなっていくのかということではないでしょうか。自分自身を 大切にし、周りの人達を思いやり、誰からも愛される人生を全うしていく。そのような人生を送ることができたなら、きっと遺族も、知人、友人も粗末な送り方 はしないはず。

 現在、直葬というものが取り上げられ、故人を送る遺族の方ばかり注目されていますが、本当の問題は送られる方にあるのではないでしょうか。自分の生きてきた証が、少なからずお葬式にあらわれるからです。この事をよくよく考えなければなりませんね。

 ここに素晴らしい詩があります。

誕生の時には、あなたが泣き、
全世界は喜びに沸く。
死ぬときには、全世界が泣き、
あなたは喜びにあふれる。
かくのごとく、生きることだ。

 このような人生を送れたなら、送る方も、送られる方も、本当に良いお葬式となるのではないかと思います。最後に僧侶として、肝に銘じていくことがありま す。私たち僧侶(宗教家)は命の大切さ、生と死について、また本来の布施の行為について、日頃から説いていかなければなりません。葬儀費用をつり上げるよ うな、戒名料と称した布施を貪り、心のないお葬式を執り行ってはいけない。なぜなら、この直葬と呼ばれる問題も、本当は僧侶離れが発端なのだから…。

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