だんしんきょう 令和7年 5月号

開催日:2025年05月01日

第750遠忌に向けて

稲垣徳也氏
愛知県尾張檀信徒協議会長
小牧市妙遠寺筆頭総代
昭和26年5月27日生まれ
趣味:ゴルフ、野菜栽培

地域に開かれたお寺を目指して
信仰の継承・寺院の活性化

 日蓮聖人第750遠忌まで6年余りです。菩提寺では節目を迎えるにあたり、いろいろな事業を計画し進めているところです。祖父は第650遠忌に身延山に参拝し、父は第700遠忌に総代として菩提寺の事業や行事に尽力していました。私も第750遠忌に向かい信仰を引き継ぎ後世に繋げるよう日々精進していこうと努めています。
 昨年、冊子『お寺は誰のためにあるの』を孫と一緒に読みました。内容を理解してくれたかはわかりませんが、孫は仏壇やお墓の前で手を合わせてくれています。総代の職務を受けて現在4期目となり、在職期間は父と合わせて60年余りになります。菩提寺を支え、安らぎをいただいてきました。総代を受けてから菩提寺だけではなく管内の多くの行事に参加するようになり、護法大会、統一信行会、研修道場など、毎回大勢で唱えるお経・お題目には身の引き締まる思いがします。
 前回の研修道場で心に留め置きたい言葉に出会いました。「与えた恩は水に流しなさい。いただいた恩は石に刻みなさい」。「感謝の言葉は周りの人を明るく幸せにする」。このような気持ちを皆が持ち続ければ、凶悪な犯罪はなくなっていくことでしょう。いただいた命に感謝しなければならないと思います。
 菩提寺では、女性を中心に「お勤めの会」が毎月行われています。お経の意味や、仏教の話を僧侶から聞き教わる会として喜ばれています。仏さまに皆で合掌し語らう、たいへん有意義な会で、お寺の活性化や繁栄に貢献できていると思います。
 寺庭婦人は、檀信徒や近隣の人と一緒に大正琴を習い、発表会で披露しています。皆さんとご縁を結び地域に開かれたお寺であろうと尽くしています。地域の人と繋がりを持ち、お寺を集いの場として活用していくことが、これからますます大切になるのではないでしょうか。
 昨年、身延山団体参拝で輪番奉仕の機会に恵まれ、貴重な有り難い体験をさせていただきました。今年の団体参拝では、石川県羽咋市の本山妙成寺に参拝し、昨年の能登半島地震で被災した人や寺院の復興、また亡くなった人のご冥福をお祈りします。菩提寺の先代住職が輪島市出身であることで、私もご縁を感じており、被災地でお題目を唱え1日も早く平穏な日々が戻るようお祈りして参りたいと思います。
 父が亡くなるまで菩提寺との直接的な関わりはありませんでした。今になって思うことは先祖のおかげで現在の幸せがあり、いただいているあらゆるご縁も先祖からのお与えだということです。私も子や孫に日蓮宗の教えを引き継ぎ、先祖の供養を欠かさず感謝の気持ちを忘れずに、次世代へ少しでも信仰を継承できるよう、修行に励んでいきたいと思います。

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