お題目の心で毎日を
平柳清氏
全国檀信徒協議会常任委員
埼玉県檀信徒協議会長
川口市感應寺総代
昭和28年6月9日生まれ
趣味:蕎麦打ち、DIY
お題目を唱えるたびに
亡き人とのつながり感じて
令和7年も早いもので2ヵ月が経ちましたが、今年が平和な1年になることを願わずにいられません。
昨年は驚くような災害・能登半島地震から始まりました。8ヵ月後に同地方は豪雨被害に見舞われ、復興をさらに遅らせる事態となりました。自然の脅威がいかに恐ろしいかを思い知らされました。その後も異常気象や気候変動による災害が各地で報告され、多くの人が困難に直しました。これらの出来事を通じて、共に生き、助け合うことの重要性を再認識しました。
【埼玉県檀信協の活動】
能登半島地震被災地支援事業として、昨年4月19日にさいたま市円蔵寺で檀信徒協議会研修会が開催されました。予定の80人を上回る参加者が集まりました。研修会では能登半島地震の犠牲者の追善供養を営み、参会費2千円のうち1500円を復興支援金として日蓮宗を通じ被災地に寄付させていただきました。被災された皆さまには心からお見舞い申し上げます。
令和6年度の寺檀協議会総会は、6月26日に久喜市妙福寺で開催されました。石黒淳明宗務所長から総本山身延山久遠寺参拝予定が発表され、10月2日には261人の祖廟輪番奉仕団が身延山を参拝しました。
【南無妙法蓮華経を通じて】
話は変わりますが、私の妻は、平成22年、乳がんと診断されました。抗がん剤治療も終わり寛解したと思っていたところ、肺への転移が発見され、再び抗がん剤治療が始まりました。初めてがんと診断された時よりもショックは大きいものでした。通院には娘も付き添い、懸命に妻を支えてくれました。しかし長期間の抗がん剤の治療により、身体も精神も限界に達し、妻の意思で抗がん剤を中断しました。
少しでも希望が持てる治療はないかと模索していたところ、免疫療法を知り、藁にもすがる思いで治療を始めました。すると妻のむくみが取れ、笑う精神力も体力すらなかった妻に笑顔が見られるようになったのです。元気だった頃のようにまた一緒に笑いながら食卓を囲み、時には友人と会うことができるほどになりました。
平成26年に妻は59歳で他界しましたが、最後に家族みんなで笑い、楽しく時間を過ごせたことに感謝しています。
我が家は昔から、お盆や年末に住職が家にお経を唱えに来るときには一緒に読経することを習慣としてきました。住職の後ろに妻と座布団を並べて、時には娘たちも一緒に、拙いながらもお経を読んだことを思い出します。
今も「南無妙法蓮華経」のお題目をお唱えする度に、妻との思い出がよみがえり、隣で聞いているのか、一緒に読んでいるのかわからずとも、妻とのつながりを感じています。