新春ご挨拶
日蓮宗全国檀信徒協議会 会長 池上幸保
あけましておめでとうございます。平成31年の新年にあたり、謹んでお慶び申し上げます。
平成最後のお正月を迎えました。この30年を振り返ってみますと、国際的にはベルリンの壁が崩壊し、数年後にはソ連が解体、中東では2度にわたる戦争が勃発、アメリカでは同時多発テロが発生、東アジアでは中国が台頭するなど、国際関係は大きく変貌しつつあります。また地球温暖化に対応する政策は各国の足並みがそろわず、そのためもあってか世界各地で異常気象が報告されています。
一方国内に目を転ずれば、地下鉄サリン事件、阪神淡路大震災、東日本大震災、熊本地震など、悲惨な事件や自然現象が国民生活に影響を与えました。もちろん暗い側面だけではありません。我が国から多くのノーベル賞受賞者が出るなど、国際的にも国内的にも多くの人々が感動し、共感するような出来事もたくさんありました。
時代は私たちの予想をはるかに上回る勢いで変貌しつつあるようです。一例として、全国各地を訪れる外国人観光客の増加は、地域経済を潤す効果がある一方で、従来からの日本人の社会生活に負の影響を与えていることも事実です。宗教や言語、価値観の異なる人たちといかにして共栄していくかが問われています。過去の習慣や経験だけは対処しきれない事象が私たちの身の回りに起こっています。
日蓮聖人ご在世中も打ち続く天変地異や、政治的な騒乱で世の中は大きく乱れていました。そのようなときに聖人は、正しい教えに基づいた正しい行動の必要性を説かれました。いつ起きるかわからない自然災害に対して賢明な予防策を講じることや、一旦ことが起きた時に適切な行動をとるためには、正しい教えに根差した心構えが必要なのではないでしょうか。
本年も全国檀信徒協議会では、宗門が進める布教方針に沿って、1人でも多くの人たちにお題目の功徳があることを願い、教区・管区の檀信徒協議会と連携し各種の活動を行ってまいります。正しい教えを次世代につなぎ、少しでも安穏な社会づくりに貢献できるよう、皆さまのご協力をお願い申し上げます。
末筆になりましたが、今年一年の皆さまのご健康とご多幸をお祈りし新年のご挨拶とさせていただきます。
南無妙法蓮華経