だんしんきょう 平成28年 8月号

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  お盆を迎え先祖の精霊を供養し、真の信仰にふれましょう

 

  全国檀信徒協議会常任委員 会計
  神山 喜久夫

 

 

 今年も暑い夏とともにお盆月が参りました。都会ではお盆は7月だと思いますが、大半の地方は8月が盆月になります。各家庭でご先祖の精霊を自宅に迎え、故人の霊を慰め、懐かしく想うひと時です。遠方に嫁いだ人、都会に働いている子どもや孫たちが生家に帰り先祖や故人を偲び、供養をします。昔から習慣として祭壇にキュウリで形取った馬、足の速い馬に乗って少しでも早く精霊たちが我が家にたどり着くようにと、13日夕に迎え火を焚きます。子や孫とともに家内安全や幸せを願って過ごし、精霊たちは喜びと満足を得て16日夕に送り火の中、今度は少しでも遅く帰られるようにと足の遅い牛を形取ったなすびの牛に乗って霊山浄土に帰ります。
 ご先祖さまや大切な家族の霊を慰めること、現世の私たちがお互いに愛と理解を養い、絆を深く持ち合う信仰の原点になる年に1度の大切な時がお盆なのです。こういった日本古来の美しい良習慣を次の世代へと引き継いでいくことはとても大切なことと思います。
 さて「立正安国・お題目結縁運動」も10年目に入りました。この10年を自分なりに思い返してみました。第1期播種活動では、運動の1歩目でした。現代の国内外を見れば、大事なものを失って深い混迷の中にある社会が見えてきます。人類皆が心新たに身を正して生きなくてはならないと感じる人も多かったことでしょう。そこで僧侶檀信徒が一体となって、祖願に学び、宗祖の思いを実現させようと第1歩を刻み始めました。重点項目に但行礼拝の実践、いのちの活動、祖山総登詣などがありましたが、特に但行礼拝の実践こそこの運動の「いのち」と捉えて活動を行ってきました。
 第2期育成活動では、「いのちに合掌」をスローガンに、檀信徒の暮らしの中にごく自然に合掌を根づかせるように進めてきました。但行礼拝の心に種を播き、敬いの心を育み、明るい社会を担う仏の子を育てるべく力を注いできました。若い芽は着実に育まれたものと確信いたします。
 そして2年前から第3期開花活動に入りました。テーマは「組織で動く」です。全国檀信協もその組織のひとつとして、美しい花を咲かすべく、宗門と連動してさまざまな活動を行っています。そしてこの運動の最終ゴールとなる日蓮聖人ご降誕八百年には、大きな果実が得られるようにしたいと念じています。大きな果実とは、平和で幸せあふれる「安穏な社会」の実現です。そのためにはまず私たち檀信徒が、正しい信仰心を深く得ることです。そしてその信仰心や宗門運動の理念を子や孫たちにしっかり伝えていくことです。
 子や孫と触れ合う機会の多くなるお盆は、「いのち」のつながりをはじめ大事なことを伝える絶好の時期です。全国の檀信徒の皆さまの小さな取り組みが、やがて大きな大きな果実を生むと信じています。

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