日蓮宗全国檀信徒協議会 副会長
大阪府大阪市檀信徒協議会 会長
武田 家治 氏
日蓮宗新聞紙面をお借りして、大阪府大阪市檀信徒協議会の活動や宗務所の手伝い、さらに現在、とくに取り組んでいる活動内容を読者の皆さまにお知らせしたいと思います。
年間の取り組みですが、4月には29日に立教開宗会が営まれます。お釈迦さまの本懐を世に伝えるべく、日蓮聖人がお題目の宗旨を立てられた日に皆さまの幸せを願います。6月には和歌山県・高野山にある日蓮聖人がご遊学されたと伝わり、日蓮聖人のご尊像が安置される五坊寂静院を参拝しま す。7月には川施餓鬼の準備が始まり、15日には大東亜戦争戦没者供養法要を営みます。8月には日本三大施餓鬼の一つとされ、大阪市無形民俗文化 財の指定を受ける正蓮寺伝法川施餓鬼に参列します。そして10月にはお会式がサブタイトルの「祈りの集い」として盛大に行われます。2月16日は 日蓮聖人御降誕慶讃大法要、3月には檀信徒研修会とさらに4月の立教開宗会に向けて準備や打ち合わせが始まります。
これらの行事のなかで、とくにお会式「祈りの集い」に檀信協会員も一丸となって取り組んでおります。宗門運動「立正安国・お題目結縁運動」の目標である未信徒とのお題目の縁をどうにか結ぼうとみな努力しています。檀信協ではこの一大イベントのなかの落語会を受け持ち、開催に向けて実施場所の谷町妙光寺一円に街角に立ち、チラシを配るなど、少しでも未信徒と接点をもとうと活動しています。
祈りの集いではほかに、青年会僧侶の唱題行脚、修法師会の水行、法話、万灯奉納、境内での模擬店などが行われたり、開かれたりします。そのなかで私たち檀信協はいつの日かこれが谷町一円に広がる大きな日蓮宗の一大事業に成長してくれるものと期待に胸をふくらませています。
戦後、核家族といわれる家族構成になり、寺離れ、墓離れなどと檀家制度が崩れ、非常に厳しい現実があります。宗門でも若い方たちにどうしたら信仰を引き継いでもらえるのかと悩んでおられるようです。しかし、檀家の若い方たちだけにアプローチするだけではなく、今現役で働く未信徒との接点も見出していくことが大切なのではないでしょうか。接点を見出し、アクションをおこしプッシュすることが一番必要だと考えています。
宗門が全体の方向性を決めても、最後に各寺院が踏ん張らなければ何も意味をなしません。実際、私は各寺院が入りにくく感じ、参拝したとしても応対者がいないなど、一般の人びとを受け入れる体制になってないように思います。内に向かうようりも外へ向かう最初の一歩が肝心なのではないでしょ うか。