熊本「寺フェス」を訪れて
「日蓮宗全国檀信徒協議会 平成27年度第3回常任委員会」が10月17日(土)熊本県熊本市本妙寺で開催され、今年度の活動の報告・確認と、総会をはじめとする来年度の活動・事業などについて活発な意見交換が行われた。
常任委員会が宗務院以外で開催されるのは異例のことであるが、今回、熊本の地で行うことになった経緯は、翌10月18日に本妙寺を主会場に開催される「寺フェス」を視察するためである。
「寺フェス」は今年で4回目を迎えるが、本妙寺を中心とする【寺町】(てらまち)という特徴を活かし、さまざまなイベントの開催、多くの屋台の出店があり、昨年は延べ約5万人もの参加者が訪れたということであった。特徴として、基本的にプロを介入させず、僧侶・檀信徒・未信徒が協力して運営し、文化祭の延長上のような手作りのお祭りであるということが挙げられる。そして、お寺という場所を通して、人と人が繋がり「ご縁」を結ぶことを目的としている。そのため、一般のお祭りとは異なり、利益を上げることを目的としておらず、また、出店者にもその主旨を理解していただいているということであった。
今日、日蓮宗寺院では大小問わず、さまざまなお祭り・イベントが開催されている。しかし、「法華経」「お題目」という素晴らしいものがあるが故に、主催者側がすぐさまそこに結びつけようとして、極端に言えば、押しつけてしまっている部分もあるように思える。残念ながら、どんなに素晴らしいものであったとしても、大衆は押しつけられることを嫌うものである。最終的に「法華経」「お題目」に結びつけることができれば良いと考え、まずは寺院と「ご縁」を結んでもらうようにするということが大切なのではないか。
今回、池上幸保会長をはじめ常任委員各位は、実際に「寺フェス」に参加し、その雰囲気を感じ、さまざまな催しを目の当たりにして、感心するとともに強い刺激を受けた。それぞれ、各教区・管区・菩提寺に戻り、自分たちも何かできることがあるのではないか、と考えているようであった。「さっそくお上人に相談してみる」と言っている委員もいた。「寺フェス」のように「僧侶檀信徒一体」となって行動するということが、まさに今、すべきことだと実感した2日間であった。
日蓮宗全国檀信徒協議会事務局