論文「日蓮遺文にみる賢王と愚王―印度・西域を中心に―」発表

開催日:2013年02月15日

 論文「日蓮遺文にみる賢王と愚王―印度・西域を中心に―」を『伊藤瑞叡博士古稀記念論文集 法華仏教と関係諸文化の研究』(山喜房仏書林、2013年2月)に寄稿しました。
 日蓮聖人は、『立正安国論』の上奏や度々の国家諫暁という行為にも示される通り、王法と仏法の関係に対する関心を強くもっていた人物として知られます。聖人が、その言論の中で、国主・国王の在り方について触れる時、仏典や中国・日本の史書等に基づいて 過去の先例を引き、現在(鎌倉時代の当時)の問題に照射することが多いようです。
 中国・三韓・日本の史実に基づいた日蓮遺文中の記述については、すでに先行研究がありますので、本稿では、印度・西域の王朝史・王統史上の国王に関する遺文中の記述を整理 し、日蓮聖人の国主観の一端を探ります。遺文中には、印度・西域の国王として、前6~5世紀頃の十六大国の時代から7世紀のヴァルダナ王朝期に至るまで6王朝に亘る17名の国王が登場します。聖人においては、いずれも単なる王統史の歴史事実の紹介にとどまることなく、ある一定の基準に則って例示・引例する傾向が看取されます。
 なお、稿末には、日蓮聖人の摂折観に対する新知見についても触れています。過去の記事とも関連させてご覧下さい。
 本稿の全文は、コチラから。

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