高見のっぽ氏講演~台東区心の教育推進区民大会~

 当山住職が教育委員会委員を務める台東区では、隔年で「台東区心の教育推進区民大会」が開催されております。本年は12月1日、台東区生涯学習センターミレニアムホールにて、往年のNHK教育番組「なにしてあそぼう」「できるかな」で出演された俳優・作家・歌手の高見のっぽ氏の講演会を聴講する機会を得ました。
 テーマは「両親と私」。のっぽさんの幼少期の体験談を交えて、両親の思い出や家族のルールや規範について述懐された1時間でした。
 まず、のっぽさんが「子供」を敢えて「小さい人」と呼んでいる理由について、「自分が小さかった頃をよく思い出してみるといいのです。実に賢かったと思いませんか。私は大きい人(大人)が自分に対して何を言ったか、どういう態度をとっか、非常に良く記憶しています。ですから、小さい人(子供)を決して見下したりしません。彼らは、ただ身体が小さいというだけで、その感受性や理解力は、汚れた大きい人(大人)よりもはるかに強いのです」と語られていたのが印象的でした。子供は感情面では未熟な面もあるかもしれませんが、時には大人と全く変らない、ただ口にできないだけだという事をよく知っておく必要があると言うのです。
 のっぽさんがご両親から教え込まれたことは、「家訓」とまでいえる立派なものではないけれども、「人を傷つけない」「嘘はつかない」「盗みをはたらかない」「外ではいい子にする」など人間にとってとても大切な事柄だったことを想起され、特に「常に上品であれ」という教えが、氏の生き方や振る舞い方に大きな影響を与えていることを述懐されました。
 そして、小さい人(子供)たちとの接し方について、「小さい人と接する時に、思い悩む事はありません。小さい人に対しては、丁寧に礼儀を尽くして接しさえすればいいのです」と述べられ、また彼らに規範意識を根付かせるためにも、「大きい人は、常に行儀正しい姿を心がけなければなりません。たとえば、嘘はつかない、赤信号は渡らない、ゴミは捨てない…、小さい人たちの前ではそういう姿を意図的に、時には恩着せがましく見せることも大切です。小さい人は、大きい人をしっかりと見ています。大きい人同士のつきあいであっても、いつでも小さい人たちに見られていると思って、尊敬と礼節とをもって誰とでも分け隔てなく接することを心がけなくてはなりません」と結ばれました。
 普段の自分の姿を振り返り、心を洗われるお話でした。

一覧へ