お盆が終わりました。
本年も、妙法寺の盂蘭盆施餓鬼会法要を無事に終えることができました。
暑い中お参りくださった皆さま、ご供養をお申し込みくださった皆さま、そして準備から当日までお力添えくださった総代・役員の皆さま、本当にありがとうございました。
今年のお盆は、妙法寺にとって特別なお盆でした。
五月に先代住職が遷化してから、初めて迎えるお盆。
これまでなら、どこかに先代の姿があり、何かあれば声をかけることができました。
しかし今年は、その姿がありません。
私自身、目の前のことに必死で、法要を勤めることだけで精一杯でした。
そんな中、川供養をしている時のことです。
後になって皆さんから、
「寛道上人、気づいていましたか?」
と言われました。
なんと、お経をあげている私の頭の上に、一匹のトンボがずっと止まっていたというのです。
少し止まったのではありません。
お経をあげている間、逃げることもなく、ずっとそこにいたそうです。
私はまったく気づいていませんでした。
それを見ていた皆さんは、
「もしかしたら、先代じゃないのかね」
そんなことを思いながら見ていたそうです。
もちろん、本当に先代だったのかどうかは誰にもわかりません。
けれど、不思議なものです。
人は、大切な人を亡くしたあと、蝶や鳥やトンボがふと近くに現れると、
「会いに来てくれたのかな」
と思うことがあります。
それが本当かどうかよりも、
そう思えるほど、その人が今も心の中に生きている。
私は、そのことの方が大切なのだと思います。
姿は見えなくなっても、受け継いだものはなくなりません。
お経の声にも、
本堂の空気にも、
檀信徒の皆さまの記憶にも、
そして私自身の中にも。
先代が守ってきた妙法寺を、今度は私たちが守っていく。
先代のいない初めてのお盆は、寂しさを感じるお盆であると同時に、そんなことを改めて思わせてくれるお盆となりました。
それにしても……
もし本当に先代だったのなら、
わざわざ私の頭の上を選ばなくても良かったような気もします(笑)
けれど、そんな先代らしいお盆の思い出が一つ増えました。
今年も皆さまと共に、ご先祖さま、亡き方々へ手を合わせることができましたこと、心より感謝申し上げます。
また来年も、この妙法寺で。
合掌


