先日のお彼岸の際に、お寺の賽銭箱を、檀家役員の皆さん立ち会いのもと開けて数えました。
「えっ、そういうのは秘密にしておいたほうが夢があるのでは?」
と思う方もいるかもしれません。けれども正直に言いますと、このお金はお寺の火災保険や電気代、水道代、維持管理費にも使わせていただいております。
仏様はありがたい存在ですが、北海道電力は拝んでも電気を止めてくれません。ガス会社も「南無妙法蓮華経!」では検針をスルーしてくれません。
ですから、皆さんが投げ入れてくださるお賽銭は、そのままお寺を守る「護寺の布施」になっているのです。
お賽銭を「願いを叶える料金」と思っている人は少ないと思いますが、実際は“心を託す布施”。そう考えると、どんな金額であっても尊いのです。
ただ、人間は遊び心も好きなもので、金額にはちょっとした語呂遊びがあります。ここでいくつかご紹介しましょう。
5円 → ご縁がありますように
11円 → いい縁(ダブルで強調!)
25円 → 二重にご縁
41円 → 始終いい縁(縁結びフルコース)
295円 → 福来い!
777円 → ラッキーセブン!(スロットより堅実)
8964円 → 厄無くし(ちょっと強引ですが効果抜群)
1万円 → この上ない!(読んで字のごとく、最上級のご志納)
そして番外編… 「硬貨は効果なし」 なんてジョークも飛び出します。いやいや、そんなことありません。5円玉だって、皆さんの「ご縁」が込められているんですから。
こうしてみると、金額の大小に関わらず、込められた“想い”がすべてなのだと分かります。
お賽銭は「投げ銭」ではなく「投げ心」。託された心が積み重なって、お寺を守り、人々の願いを支える力となっていきます。
最後にお願いを込めて。
どうか、あなたの“ご縁の一枚”を、喜んで投げ入れてください。その喜捨こそが、布施の心を養い、あなたの心を洗ってくれるはずです。合掌


