遠方からの来寺✨️40年ぶりの再開

【不思議なご縁に導かれて…】

「泉水さんって、名字なんですか?」
今日、お寺に初めて来られた方が、少し緊張した表情でそう尋ねてこられました。

お話を伺うと、40年以上も前の出来事が語られました。
その方がまだ17歳だった頃、室蘭でとある家に居候をしていたそうです。そこへ、家主と友人だった父(住職)がたびたび出入りしていました。

ある日、父にふと心の奥を見透かされるような言葉をかけられ、その一言がきっかけでご供養をお願いしたそうです。
さらに別の日には「おい、一緒に飯行くぞ」と声をかけられ、若造だった自分を気さくに誘ってくれた―
その出来事が強く胸に刻まれ、「こんな坊さんがいるんだ」と深く心に残ったと話してくれました。

ただその頃からずっと、「泉水」というのは名字ではなく、僧侶としての名前“センスイ”だと思っていたのだとか。
漢字もわからず、ずっと「センスイさん」と呼び続けてきたそうです。

その後すぐに室蘭を離れ札幌へ職を求めて行かれ、会うことはなかったそうです。

そんな折、たまたまYouTubeで妙法寺の動画を目にし、「もしかしたら、あの“センスイさん”のお寺かもしれない」と、半信半疑のまま訪ねて来られたのでした。

ご祈祷を終えるころ、父が本堂に姿を現しました。
目が合った瞬間、40年という時を超えて笑顔がこぼれ、懐かしい思い出話に花が咲きました。お寺に響く笑い声は、まるで当時の空気をそのまま連れてきたかのようでした。

そして帰り際、その方は来たときよりもずっと軽やかな足取りで、「また来ます」と笑顔で帰っていかれました。

人の縁とは、本当に不思議なものです。
そして、長い年月を超えて再び巡り合わせてくれるのは、「恩を持ち続ける心」なのだと、しみじみ感じた一日でした。

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