心のカタチ

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お盆の終わりに大型台風襲来で、西日本を中心に大荒れの空模様でした〰?

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今年の棚経は、僧風林に入林した次男(小5)と一緒に町内を回る予定でいたのですが、超大型台風接近の一報を聞いてからは気が気ではありません?

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天気予報とにらめっこしながら、初日の13日は大丈夫そうでしたので、14日に回るお檀家さんにご協力いただいて、例年とはかなりイレギュラーなお参り順でスタートしました。

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結局、14日の午後に何度か通り雨に法衣を湿らせた程度で済み、無事に80軒の御仏前に親子で法味を言上することが叶いました。

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酷暑の僧風林に、連日の境内掃除、そして初めての棚経突入でしたので、途中でばてるかと思っておりましたが、意外なことに最後まで声量は落ちず、背筋はピンと伸び、小気味よい木を打って鏧座を勤めてくれました。

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嬉しいハプニングとして、2年前の「こども てら泊」に姉弟で参加してくれた2人が、この夏は帰省(帰国)されていて、御仏前で一緒に読経唱題してくれました。お陰様で、次男も感激の再会を果たせました(^-^)

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今年の棚経を一緒に回って、次男が一番驚いていたことは、設えた精霊棚に所狭しと並んだお供え物の数々でした。盆棚や先祖棚とも呼ばれる精霊棚に、お供えをすることは知っていましたが、各お家に代々伝わる個性的なお供え物にじっと見入っていましたね?

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ところで...
現在、仏事を執り行うには色々な「しきたり」があります。先人達が残されたしきたりを現代の私たちがいかに理解し、どのように伝えて行くかと言う大きな過渡期にあります。

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そもそも「しきたり」とは何でしょう。「しきたり」は、一人の命が誕生した瞬間から始まります。名前を付ける。お披露目をする。お寺や氏神さんにお参りして誕生を神仏に報告する。このように誕生した子どもを社会に認めてもらい、社会の仲間入りをしていく為には色々な「しきたり」が伴います。ですから人が亡くなった時、その一生の締めくくりにも同様に種々「しきたり」があるのです。

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町内の葬儀が土葬から火葬へと変化し、それに伴って、葬儀会館の使用も増えました。また、核家族化・個人主義・他者への不干渉などの現代的要因も合わさって以前より踏襲されていた「しきたり」が一挙に簡素化される方向に向かっています。それは葬儀に限らず、お盆やお彼岸などの諸行事、日々のご給仕に関する「しきたり」などを含めます。

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信仰心は、心の問題だから「しきたり」のような形式的なものはいらないという人もあるかもしれませんが、それは違います。形式無しには心は育ちません。形式を守る心が信仰心を増長し、その信仰心が形式を守っていく事なのです。種々の「しきたり」を守ることで正しい信仰生活を送って頂けるものと思います。(大阪府豊能宗務所発行「供養の心としきたり」より)

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三宝帰依の純一無雑なる信仰心を形作るために、先ず「形」を学び、次に「方便」を学ぶ道筋は、日常の営みは違えども、僧侶でも檀家様でも同じなのです。

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