昨日法務から帰ると、4年ほど前に五輪塔の周りに植えた鹿児島紅梅が、もう盛りを過ぎて終わりに近づいていることを知った。
毎年何本かは花の付きが悪かったので、枯れてしまうかなと案じていたが、今年はみんな元気に紅の花弁を開いていた。
2014年の年が明けてから、慌ただしく日々を過ごし、気が付けば明日で年度替わり。子どもたちの通知表さえ、ろくに目を通してあげられなかったような気がする。スマホのスケジュールを見直してみると、予定のない空白の日も何日かあったはずなのに…
休日であっても、翌日以降のことを気に掛け、気持ちにゆとりを持てないでいる。まさに、電車に飛び乗って、膝の上でキーを叩き、昼寝で職場の寝言を口走っていた遠いあの頃の自分。
私が住職になって、来月で1年と半年になるのだが、代わった途端に坂道を転げ落ちるような1年だった。
「案ずるより産むが易し」「案じるより芋汁」「窮すれば通ず」とはよく言ったもので、あれこれ心配したところでなるようにしかならないのだ。
昨日またかくてありけり 今日もまたかくてありなむ
この命なにを齷齪(あくせく) 明日をのみ思ひわづらふ
島崎藤村「千曲川旅情の歌」
今月は、日本人の私たちが決して忘れてはならない大切な日が幾つもあった。ざわめく心では、至心に菩提を弔い、祈ることはできない。
1945年3月10日 東京大空襲
1945年3月13日 大阪大空襲
2011年3月11日 東日本大震災 …
かぐわしい花の香り、華やかな季節。ここ数日の暖かさで、桜の蕾もあちらこちらで一気に開き始めたようだ。桜未だ見ぬ御霊を胸に、自分の目と足で確かめに行こう。
家族の手を引いて!
※画像は、去年の枝垂れ桃と桜