大昔のことです
ヤマとヤミーという人間がいました
インド神話で出てくる人間第一号です。
ヤマが男性。ヤミーは女性で、二人は仲のいい夫婦でした
ある日、夫のヤマが亡くなります…。
ヤミーは深く悲しみ、憔悴(しょうすい)しきって泣いてばかりいます
ヤミーは言います。
「今日、ヤマが死んだ」
と。というのは、実はその時はまだ「夜」がなかったのです
ですからいつでも「今日」だったのですね…。
天界から神様がやってきて、ヤミーを慰めます。しかしヤミーは、
「今日、ヤマが死んだ」
と言い続けて、話を聞こうとしません
困った神様は「夜」を作りました夜が出来て、一夜が明けます。
するとヤミーはこう言いました
「昨日ヤマが死んだ」
また一夜明けます。するとヤミーは、
「おととい、ヤマが死んだ」
と言います。そのうちに、ヤマの死が十日前になり、一年になり…。
とうとうヤミーは夫の死を忘れる事ができたそうです。
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これがインド神話の「夜」の起源です
ちなみに夫のヤマは、その後仏教の神様となりました。死人第一号である彼は…、
閻魔大王(えんまだいおう)と呼ばれています。
昔からよく、「日にち薬」が一番心に効く
と言います
どんなに悲しいこと、辛いことも、
時間がやがて、私たちの心を和らげてくれます
インドの「夜の起源神話」素敵ですね\(^▽^)/
護国寺公式HP
コラム 日にち薬 より
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日蓮宗 了光山護国寺 ~山科檀林旧跡~
参考文献・引用 ひろさちや:著 「仏教ちょっといい話 和尚になった泥棒」より