髙橋清美氏
北海道東部檀信徒協議会長
遠軽町日京寺総代
趣味:カラオケ、民謡
菩提寺の遠軽町日京寺には祖父の代からお世話になっています。日京寺の起源は大正11年に16戸の法華信徒をまとめて一乗教会所を創立したことに始まるとされていますから、もしかすると髙橋家は草創期の1軒だったのかもしれません。私自身が日京寺との縁を深めたのは、平成11年11月14日に妻が急逝してしまったことにあります。住職は深い悲しみの中にいる私に寄り添ってくれました。大切な妻の魂をお守りいただくお寺だと思うと、それまで以上の思い入れをお寺に懐くようになりました。
なんとか菩提寺に恩返しをと思い、平成21年に遠軽・紋別地区(遠紋地区)寺院の檀信徒会長を引き受けました。そして令和3年には、北海道東部管区の檀信徒協議会長という大役をお受けすることとなりました。菩提寺のため、宗門のため、頑張っていきたいと思っています。
日本の仏教には、春秋のお彼岸や夏のお盆など善良な習慣がたくさんあります。お彼岸には先祖のお墓参りをして供養をします。お盆にはご先祖さまの霊が自宅に戻り、みんなと一緒に過ごします。遠方にいる子や孫が生家に帰り、先祖や個人を思い出しながら語り合います。そんななかで、私たちの心身は父母だけでなくご先祖さまからの贈り物であることを学び、いのちの尊さを知るのです。そこから生まれる感謝の気持ちと報恩の心。こういった美しい心を次の世代につなげていくことは、とても大事なことです。仏事をおこなう意味をしっかり子や孫に語っていきたいと思います。
お寺の諸行事はその大事なことを発信する貴重な場でした。ところが一昨年からの新型コロナ禍によって、お寺の行事が中止や規模縮小となってしまいました。お寺だけでなく管区や地区の研修会も多くが実施できなくなりました。コロナが収束して、かつてのような活動が復活する日がとても待ち遠しく思います。
これまでたくさんの菩提寺の行事に参加しましたが、一番の思い出といえば平成15年に実施した団体参拝です。身延山の宿坊に泊まり、総本山身延山久遠寺を参詣したほか、東京の大本山池上本門寺にもお参りできました。北海道からですので5日間に及ぶ大がかりな旅程になりました。身延団参は平成25年にもルートを変えて行いました。どちらの旅も私にとって一生の思い出となりました。
私の住む、北海道東部管区は若年層を中心にした人口の流出という大問題を抱えています。町全体がさみしくなっていくなか、お寺は地域コミュニティーの核としてお寺はますます存在価値を高めていかなくてはならないと感じています。
コロナが収束したら、住職とともに諸行事を再開させたいと思います。そして感謝の心を伝え、地域に生きる人たちがいきいきと毎日が過ごせるよう、お手伝いができたらと思っています。
最後に、みなさんの菩提寺の隆盛とみなさんの健康とご多幸を祈念申し上げます。