だんしんきょう 平成26年 8月号

この記事は最終更新日から1年以上経過しています。
記事の内容やリンク先については現在と状況が異なる場合がありますのでご注意ください。

北米日蓮宗開教百周年記念行事に参加して
全国檀信徒協議会
会長 池上 幸保 氏
 6月28日、29日に米国・ロサンゼルス日蓮宗別院で開催された、北米日蓮宗開教百周年記念行事に参加するというありがたい機会に恵まれ、妻と 一緒に参列してまいりました。
 28日の午前は神奈川県本山比企谷妙本寺の早水日秀貫首を導師にお迎えし、「北米開教布教先師報恩声明法要」が営まれました。式衆は外国人の僧侶の方々が務められ、ところどころ英語による次第もあり、日ごろ慣れ親しんでいる法要とは違った趣で、日蓮宗の海外活動の一端を垣間見たような気がいたしました。
 午後には東京西部修法師会による「世界平和祈願法要」が営まれ、力強い読経の声が堂内に満ち、現地の信徒の方々も含め感動は一入でした。
 夕方からは会場をホテルに移し、プリンストン大学教授のジャクリーン・ストーン博士による記念講演会が開催され、現地の信徒の方々と一緒に拝聴しました。博士の該博な知識と見識に接することができたことは貴重な体験となりました。
 夜には記念晩餐会があり、日本から訪れた多くの参拝団の方々と共に、思い出に残るひと時を過ごすことができました。
 29日午前には内野日総管長猊下ご親修による「北米開教百周年記念慶讃大法要」が、厳かな雰囲気の中で営まれました。別院本堂を埋尽くす参列 者の一人として、開教活動の苦難の歴史に思いを馳せると共に、立正安国・世界平和実現のため尽くされた多くの方々に報恩の誠を捧げることができました。
 北米開教の歴史は、日本人移民の歴史と共にあります。遠く故郷を離れ異国の地で暮らす人々にとって、先祖から受け継いだ信仰は、大きな心の支え になったことでしょう。そうした人々のために尽くされた開教師の方々の果たされた役割は、日本で暮らすわたしたちにとっては計り知れないものがあります。
 海を渡った日本人の子孫は代を重ね、日本語の話せない方々も多いと聞きます。代わって、キリスト教など他の宗教から日蓮聖人の示された仏法に魅かれ、改宗する外国人の信者の方々もいらっしゃいます。また一方では、転勤や留学などで彼の地に滞在する日本人も北米各地に住んでいます。現地の文化や習慣を尊重し、現地の言葉で布教することはとても難しいことであると思いますが、その様な多様な人々に対し心の支えとして、これからも北米 を含めた海外各地での日蓮宗の活動が発展すること願っています。
 檀信徒協議会としても、国内信徒の交流にとどまらず、世界中の信仰を共にする人々との連携を促進し、わずかなりとも安穏な社会づくりに貢献できればと思いを新たにした次第です。
 最後に、この行事を準備された金井勝海北米開教区長を始め、多くの方々のご尽力に対し、敬意と感謝を捧げます。

この記事は最終更新日から1年以上経過しています。
記事の内容やリンク先については現在と状況が異なる場合がありますのでご注意ください。

一覧へ