だんしんきょう 平成25年 10月号

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次世代に向けての提言
 
 わたしの菩提寺・愛知県碧南市妙進寺(伊藤智淳住職)は、三河湾衣浦港の近くにあります。周囲は農業を営む人が多く、産物はさつまいも、にんじん、たまねぎなどです。漁業は昔ほど盛んではないですが従事してしている人もいます。また世界のトヨタといわれるトヨタ自動車のお膝元で、部品工場、物流の会社が軒を連ねています。また三州瓦も以前より利用者が少なくなったものの全国的に名の知られた地場産業としてがんばっています。
 こうした環境のなか、この地域でも檀信徒の高齢化が進み、後継者不足の悩みを抱えています。この要因はいろいろあろうと思いますが、まず働く場所が多いこと、経済力が満たされて親元から離れ、核家族化が進んだことがあげられます。満たされた生活のなかでは、「お寺は年寄りが行く場所だ、おれたちには無縁だ」と思う人が多いようです。このままこれを見過ごしてしまえば寺院は行き詰まってしまいます。早急に僧侶檀信徒一体となって打開策を考え、実行に移さなければならない時にきていると痛感いたします。
 まず、若い世代の方たちがお寺の行事に参加できる環境をつくる。また、若い世代のものの考え方に対応できる人材の確保、とくに若い世代の方が自然に寺参りのできる環境整備をしなくてはならないことだと感じています。そういったことを踏まえ、妙進寺では以下のような年中行事を行っています。
 
毎月1日  盛運祈願祭
毎月15日  感謝祭
元旦    祝祷会
2月    節分会
3月彼岸  写経会
4月15日  釈尊降誕会
5月    大黒祭
6月    供養堂大祭
7月15日  盆施餓鬼会
8月16日  灯籠流し
9月15日  卒塔婆供養
10月15日  永代供養
11月    お会式
      御分霊祭
 
 いずれもお寺に馴染みのない人の参加を期待しての行事です。建立以来古式に則って厳修される写経会は檀信徒だけでなく一般の参加者も増え、3日間で300人の参加があります。
 個々の寺だけでなく、愛知三河管区としても宗門運動「立正安国・お題目結縁運動」の推進をはじめとした、寺院活性化にむけた取り組みにいそしんでいます。三河支部推進会議を定期的に開催し、バザーなどの企画を練ったり、身延山輪番奉仕や研修会などの打ち合わせを行っています。7月に開かれた研修会では浜島典彦身延山大学学長を招いて講演「いのちに合掌」を行いました。来年1月には教区檀信徒協議会総会と研修会が三河管区内で行われる予定ですので、これからはその準備にもかかっていきます。
 

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