だんしんきょう 令和5年 10月号

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開催日:2023年10月01日

小銭敏男氏
全国檀信徒協議会監事
中四国教区檀信徒協議会長
岡山県護持会連合会長
岡山市呑海寺総代

 今年は総本山身延山久遠寺開創750年の節目の年に当たります。日蓮宗の檀信徒である私たちにとっては、身延山は聖地であり、常に信徒の心の真ん中にあるべき場所だと思います。私も今までに何回も参拝させていただき、その中で輪番奉仕を行う機会を3回得ました。その時の感動は忘れません。日蓮聖人のご苦労を思いながら聖人を身近に感じられる幸せ、また自分の先祖に対する感謝、さらに家族・親・兄弟・子どもや孫たちのことが、走馬灯のように心を巡り、日蓮宗の檀信徒であることの幸せと喜びを感じました。コロナ禍などの影響で、私たちの心の拠り所である身延山の参拝者が減少し、参道の商店街も大きな痛手を受けたと伺いました。そのような実情を聞くと微力ながら全国の皆さんと身延参拝を促していきたいと考えていました。
 そんなとき、岡山県護持会連合会総会が6月2日に岡山市妙泉寺で3年ぶりに対面での開催となりました。宗務所長が大野玄秀師から平野信行師に交代となりました。総会では平野新所長のもと、テーマや活動予定が発表されました。宗門の布教方針「いのちに合掌」を中心に据え、身延山参拝と輪番奉仕の奨励、子ども修養道場の積極的な開催、日蓮宗新聞の購読推進などです。私自身が全国檀信徒協議会常任委員として感じていたことがすべて盛り込まれていました。一緒に推進と拡張に努めていきたいと思っています。皆さんも力を合わせて頑張りましょう。
 総会の会場では和讃が奉唱されました。久しぶりに聞くうちわ太鼓の乾いた音色が梅雨空を吹き飛ばして、なんとも気持ちよく、皆さんも感動された様子でした。有意義な総会だったと思います。このように私たち檀信徒は自分で考え、できることを絶やさず続けることが大事だと思います。
 最後に、私の菩提寺・岡山市呑海寺で永く続く伝統行事「備中開山踊り」のことを記します。岡山市の無形文化財に指定されていますが、この3年間はコロナ禍で開催できませんでした。今年はやっと「夏祭り備中開山踊り」として開くことができました。町を挙げて子どもから大人まで老若男女が集まっての盛大な盆踊りで、起源は古く約450年前からと伝えられます。開山上人の功徳に報い、疫病退散などの祈念が発祥です。呑海寺は禅宗から日蓮宗に改宗した寺院で開山は法穆院霊岳禅師になります。その供養として町内外から大勢の人が集まり、夏の夜長を皆で盛り上げ、明日へのエネルギーとする行事です。縁日の8月16日には備中開山太鼓・花火・各種屋台で賑やかに開催されました。台風7号の影響が心配されましたが、奇跡的にこの日だけは風雨が収まり、3年分の大盛会となりました。このように、コロナで中断した行事ができるようになり、普通の生活が営めることに喜びを感じています。

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