だんしんきょう 令和6年 11月号

開催日:2024年11月01日

「信仰の継承」を合言葉に
住職・総代役員一丸で
誰もが気軽に足を運べるお寺に

阿部光郎氏
福井県北部檀信徒協議会長
勝山市大蓮寺筆頭総代
昭和26年5月21日生まれ
趣味:ドライブ、旅行

お寺とのかかわり

 福井県勝山市大蓮寺と阿部家の関わりは深く、代々檀家総代を務めてきました。父が平成15年10月に85歳で亡くなり、私が筆頭総代を継承しました。幼い頃からお寺には祖母、両親に連れられ、家では朝・夕のお経、お題目を聞いて育ってきたので何の抵抗もありませんでした。
 しかしお寺の行事については父がすべて執り行っていたので、総代として何をしていいのかまったくわかりませんでした。その役目を当時の住職・中村龍元上人から学ぼうとしていたところ、翌16年3月に突如遷化されました。その後、跡を継いだ子息の龍央住職と二人三脚での寺院行事運営に努めてきました。
 私の子どもの頃はたくさんの参詣者もあり、お寺は子どもらの遊び場、檀家同士の楽しい交流の場でした。しかし今では核家族化が進み、参拝者も高齢者が多く、若い人たちや特に子どもの参詣が少なくなり、さみしさを感じます。
 いま我々の務めは、「信仰の継承」を合言葉に住職、総代役員が今後について考え、誰もが気軽に足を運び参詣の喜びを感じてもらえるお寺にしていくことです。これからも檀家の皆さんと共にお寺を守り、信仰に励んでいきたいと思っています。

身延山参拝

 平成16年8月、家族全員が参加して父の分骨を身延山で行いました。その後毎年8月に身延山参拝が我が家の恒例行事となりました。子どもたちも独立し、それぞれの家族が宿坊に集合、翌朝のお勤め、納骨堂でのご回向をし、御開帳を受けます。平成22年には母の分骨もあり益々この行事を慣例化させ、身延山参拝を通して宗教の大切さを子や孫たちに伝えています。先祖、お寺、日蓮宗とのかかわりを大切にする心を持ち続けてほしいと願っています。

菩提寺(大蓮寺)

 大蓮寺は寛永元年(1624)、徳川家康の孫・松平直基勝山藩初代藩主が、母堂・品量院と母方の祖父大蓮院の菩提を弔い念持仏の三宝荒神を安置するために建立し、今年が開創400年になります。勝山市制施行70周年でもあり、勝山城博物館で秘仏の三宝荒神像の展示依頼があり、貸し出しすることになりました。それに先立ち6月の三宝荒神大祭で大蓮寺で初の御開帳となりました。そのお姿を拝見し、私は感動しました。大蓮寺は昭和57年の本堂建て替えの際に、旧本堂の柱の上部を切ったところ、芯まで炭になっていました。火災に遭っても焼失しなかった歴史が判明したのです。三宝荒神は火伏せの仏さまで、大蓮寺では火災保険に入っておらず、新本堂建立の際には銀行から保険加入の条件を示されましたが、父たち総代が保証人となりその条件を免除してもらったというエピソードもあります。

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