だんしんきょう 平成30年 4月号

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開催日:2018年04月01日

菩提寺は生き方を学ぶ場所

奥田 智一 氏
全国檀信徒協議会常任委員
愛知県名古屋檀信徒協議会会長
名古屋市妙傳寺世話人
昭和19年1月1日生まれ
趣味:仏閣巡り

 

 檀信徒協議会の存在すら知らなかった私が、愛知県名古屋檀信徒協議会の会長を拝命して以来、3年の月日が経過しました。
 宗務所のお力を借り、管内の行事に1人でも多くの檀信徒の皆さまが参加できるよう、努力して参りました。おかげさまで、いずれの行事にも回を追うごとに檀信徒の皆さまが大勢参加していただくことができ、嬉しく思っております。この理由は、年のはじめに年間のおよそ12の行事を寺院を通じて檀信徒の皆さまにお知らせできているためで、このことが何よりも素晴らしいと実感しています。檀信徒の皆さまが、各行事を通じて一段と信心が堅固になられますよう、今後も誠心誠意努力してまいります。
 私たち日蓮宗宗徒は心から仏さまやご本尊を敬いあがめ、ご先祖さまに感謝しながら、毎日仏壇の前でお題目をお唱えしております。また日蓮聖人の教えを信じ、ご本尊の前で合掌礼拝読経しております。このことはとても尊いことだと思います。
 ところで、日蓮聖人降誕八百年の大きな節目がせまってまいりました。日蓮宗宗徒として、今一度、自分を見つめ直す機会ととらえ、何をなすべきかを自問自答しなければなりません。とくに子や孫に信仰を受け継いでもらうにはどうしたら良いかを考え、行動しなくてはならない時期です。
 宗門は但行礼拝、つまり合掌を推進しています。合掌とは願いであり、祈りであり、感謝の姿であり、そして敬いの姿であると私は思います。日蓮宗の合掌は、「ありがとう」「いただきます」「ごちそうさま」「おかげさま」など生きていること、生かされていることを、仏さまや日蓮聖人、ご先祖さまに感謝する合掌です。もちろんたくさんの人に支えられていのちをいただいていますので、人に向けても挨拶の合掌を行います。しかし、その本質は、但行礼拝の精神であり、相手が仏さまになること、なれることを信じる心です。
 普段の日常でなかなか合掌はできないでしょうが、少しずつ実践することが大切だと思います。
 但行礼拝は、常不軽菩薩のお姿ですが、日蓮聖人の生き方そのものと理解しています。行き交う人びとすべてに敬いの心で合掌することはなかなか難しいことでしょうが、せめてお会いした方に対して合掌で接することができれば素晴らしいことです。ぜひ全国檀信徒協議会が発行している『合掌』の小冊子をお読みいただければと思います。また手にとったことがない方がいらっしゃいましたら、ぜひとも菩提寺にお申込みいただければと思います。
 私の持論かもしれませんが、信仰とはこの世での生き方の指針であると思います。いのちはいろんな人に支えられて生かされていますから、世のため人のために何ができるかを常に考え、行動するよう心掛けています。
 お金があればお寺に寄進するのが理想ですが、身体で奉仕する、みんなの世話役を進んでする、清掃をするなど考えられます。身体が思うようにならなければ、明るい笑顔を振りまく、温かい眼差しで接する、感謝の言葉遣いをするとかを行えます。
 こういったことを教えてくれるのが菩提寺です。月1回以上は菩提寺でアドバイスを伝授してもらうためにでかけ、信心をより堅固にしていきましょう。
 

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