4月15日(月)、京都市山科区の日ノ岡にある宝塔(題目碑)で、京都府第一部宗務所所長の小田和幸師を導師に追善供養法要が営まれた。この法要では、粟田口刑場で処刑された約1万5千人の罪人の供養が行われ、また立正安国と交通安全の祈願も行われた。
この宝塔は、かつて粟田口刑場で処刑された罪人の供養のために建てられましたが、明治時代初めに刑場が廃止され、廃仏毀釈の影響で宝塔は取り壊され、後に埋没してしまいました。昭和時代に入り、道路や鉄道の工事が進む中、埋没した宝塔の一部が発見されました。
その後、法華信者である小島愛之助氏が日蓮宗寺院に呼びかけ、日ノ岡に新たに宝塔を建立することが決定されました。建立の際には、同じく埋没していた車石も敷石として使用されました。車石は江戸時代に京都から大津間に存在した牛車専用道路に使われていた石です。
この法要には車石研究会のメンバーも参列し、一緒にお題目を唱えることでご縁を感じておられた。彼らの教科書やインターネットには載っていない細かな歴史を語る言葉一つ一つに、過去の出来事への思いやりが伝わってきた。