平成30年12月の掲示板は「妙法蓮華経 提婆達多品第十二」です。
この章(品)では、前半に悪人成仏、後半に女人成仏・即身成仏の教えが説かれています。
前半は、お釈迦様のいとこであり、弟子でも多聞第一の阿難、その阿難の兄である提婆達多の話です。
提婆達多はお釈迦様への強い嫉妬心から、お釈迦様を殺そうと画策しましたが、すべて失敗に終わりました。
そのような極悪の提婆達多が、じつは前世ではお釈迦様を教え導いた「阿私仙人」という師匠であり、その師匠がいたから自分は成仏できたと説かれます。
そして、自分を殺そうとした提婆達多も、未来には「天王如来」という仏になると語られました。
後半は、多宝如来の弟子である智積菩薩が文殊師利菩薩に質問を投げかけます。
智積菩薩は「人々はこの法華経の教えで成仏することがあるのか」と問いかけ、文殊師利菩薩は8歳の竜女(娑竭羅竜王の娘)の話をし、竜女が姿を現します。
法華経以前は、女性は成仏できないとされていましたので、舎利弗は竜女の成仏に疑いを持ちましたが、竜女は大勢の前でたちまちに成仏の姿を現し、妙法を説きましたので、皆はその事実を受け入れました。
この提婆達多品により、今まで成仏できないとされてきた悪人・女人の成仏が説かれたことは、法華経の偉大な力の証明になっています。逆に言えば、偉大な力がある法華経だからこそ、悪人や女人の成仏が可能であり、また、私たちが凡夫の身のまま成仏できることも可能にしてくれているのです。