当山住職が副会長を務める日蓮宗東京都北部布教師会(会長:新井智顗)では、この度、下記の通り、日蓮宗東京都四部布教講習会を開催致します。
Society 5.0の世紀を迎え、今や宗教界にも社会変革の波が押し寄せています。これからの寺院経営や伝道布教には、未来を見据えた新たな革新が求められる時代になることが予測されます。寺院のDX(デジタルトランスフォーメーション)化もその一例でしょう。具体的には、ウェブサイトやアプリケーションソフトウェアの開発、オンラインでの信者との対話、メタバース(サイバー空間・仮想空間)での双方向交流、AIブッダのチャットボット(chatbot)活用、デジタルアートやプロジェクションマッピングなどを用いた新しい体験の提供などが含まれます。
この度の日蓮宗東京都四部布教講習会では、このような課題意識に立脚し、本宗教師で一般社団法人未来の住職塾(共同代表:松本紹圭・松﨑香織)の塾生を卒業し近未来志向型寺院経営の在り方を探求し続けている久住謙昭師、マインドフルネスやメンタルケアを活かした「がんカフェ」「マタニティ瞑想」などを実践しメディアにも出演経験のある酒井奈法師、動画配信サービスYouTubeを通じて仏教や日本の精神文化に関する様々な情報を意欲的に発信している谷川寛敬師をパネラーに迎え、「これからの布教~対話型・体験型・交流型実践に学ぶ~」をテーマに鼎談形式で未来志向の布教法や教化術について示唆をいただきます。
対話・体験・交流型の伝道教化は古くブッダの初期仏教教団の活動の中に既にその原型がありました。一例を挙げれば、師弟の問答は対話型教導、在家の持戒は体験型求道、仏弟子の布薩や結集は交流型教法護持ならびに教法流布(弘通)に相当すると考えます。しかし、その機会は限定的で、必ずしも持続可能とは言いがたく、時代が変わり、担い手が変わると衰微または変容していきました。そうした意味でも、IT時代の布教は、時間的・空間的制約を受けない点で大きな可能性を秘めています。今回の講習会では、「これからの布教」について、メディアやICTを有効に活用して如何に展開できるかを、フロントランナーのパネリストたちから学ぶと同時に、強力な発信力をもつSNS等の運用上の注意点や課題について研鑽を深めたいと思います。
近日中に東京都四管区宗務所宛にご案内をお届けしますので、ご興味・ご関心がおありの方は、是非ご参加下さい。 (文責 高森大乗)
記
【日時】
令和7年(2025)6月17日(火)10:30~16:00
【会場】
ア-トホテル日暮里ラングウッド(東京都荒川区東日暮里5-50-5)
【対象】
日蓮宗教師ならびに寺族
【総合テーマ】
「これからの布教~対話型・体験型・交流型実践に学ぶ~」
【パネル発表題目】
「参拝者を20倍にする方法」 酒井菜法師
「お寺の『再編集』」 久住謙昭師
「甦れお寺の価値!取り戻せ檀信徒!~SNSやネットを活用した布教と、現場布教の融合~」 谷川寛敬師
【パネリスト&コーディネーター紹介(敬称略)】
○酒井奈法(さかい なほう)
1976年生まれ。埼玉県高応寺住職。日蓮宗相談事業協会副会長、日蓮宗伝道推進委員会委員、第750遠忌企画推進委員会委員、認定臨床宗教師、大手企業マインドフルネス指導者。主著に『私はこんなはずじゃない!と思っているあなたへ』(主婦の友社)。NHK「チコちゃんに叱られる」「NEWSおはよう日本」「クローズアップ現代」「特報首都圏」、テレビ朝日「お坊さんバラエティ ぶっちゃけ寺」、フランスchannel+「パイオニア」などメディアにも多数出演のほか、『朝日新聞』「酒井菜法の歩む道」、『Hanako』「働く女性の転機のカタチ」など新聞雑誌にも紹介。
○久住謙昭(くすみ けんしょう)
1976年生まれ。神奈川県(妙法寺住職)。日蓮宗新聞社編集委員、日蓮宗寺院問題対策委員会委員、一般社団法人「みんなの仏教」代表理事、認定NPO法人おてらおやつクラブ広報部員。近年では日蓮宗の過疎地域寺院活性化委員であった経験から、日蓮宗管区や教区、他宗派での研修会などで寺院を活性化する講義などを行う。また「地獄VR」を開発し、定期的に一般向け、企業向け、子ども向けに体験会を開催し、多くの方々を地獄へ誘う。
○谷川寛敬(たにかわ かんきょう)
1975年生まれ。富山県経妙寺住職・真成寺副住職。グリサポとやま副代表、保護司。全日青行学道場担当委員長、全日本仏教青年会理事、富山県布教師会長などを歴任。主著に『魂磨き開運』(KADOKAWA)。YouTube「かんちゃん住職」のチャンネル登録者数は22万人を記録。
○渡邉彰良(コーディネーター・わたなべ しょうりょう)
1964年生まれ。東京法立寺住職。日蓮宗東京都北部選出宗会議員。