夕張市内のホームセンターへ買い物に行った時のことです。
ふと、見慣れない車が目に入りました。
ナンバーを見ると「鹿児島」と。
遠くから来られた旅の方だろうか。
そんなことを思うと、いつもの悪い癖で、つい声をかけてしまいました。
お話を伺うと、ご夫婦で古希の記念旅行をされているとのことでした。
九州から北海道へ。
一か月以上かけて、ゆっくりと旅をされているそうです。
ちょうど今が旬の夕張メロンを購入され、
「これから食べるんです」と、嬉しそうに話してくださいました。
その笑顔を見ていると、こちらまで心が明るくなりました。
私も、決して多くはありませんが、旅をしたことがあります。
旅に出ると、楽しいことばかりではありません。
道に迷うこともあります。
予定通りにいかないこともあります。
疲れてくると、些細なことでイライラしたり、焦ったり、心に余裕がなくなって、優しくできなくなることもあります。
けれども、不思議なものです。
後から思い出す旅ほど、そういう出来事ばかりが心に残っています。
あの時は大変だったね。
あの時は困ったね。
でも、今となっては笑って話せるね。
そうして、困った出来事までもが、旅の思い出になっていきます。
旅を表す英語「トラベル」は「トラブル」から来ていると聞いたことがある。
本当にそうであるかは分かりませんが、旅をしていると、その言葉が妙に心に残ります。
思い通りにならないからこそ、旅なのかもしれません。
そしてそれは、人生も同じなのでしょう。
何もかも予定通りに進む人生など、きっとありません。
迷う日もあります。
立ち止まる日もあります。
思いがけない出来事に、心が乱れる日もあります。
けれど、その一つひとつが、いつか自分の歩んできた道になります。
涙を流した日も、悩んだ日も、振り返れば、人生という旅の大切な景色になっているのかもしれません。
鹿児島から来られたご夫婦は、これから夕張メロンを召し上がると、嬉しそうに車へ戻っていかれました。
どうかこの先の旅も、無事でありますように。
そして、思い通りにならない出来事さえも、いつか笑って語れる、あたたかな思い出となりますように。
人生は、思い通りにならないから苦しい。
けれど、思い通りにならないからこそ、深く、忘れがたい旅になるのだと思います。
出会いに合掌✨️


