鬼子母尊神大祈願祭

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開催日:2018年03月03日

3月に入り、春を感じられる日も増えてきましたね。
ここ数日は雨の日も多くなっていますが、3月に降るこの雨を草木たちが吸い込んで、春に花を咲かせるのだそうです。その代表的なものが桜だとか。雨が降ると外出するにも何かと面倒だったりしますが、この雨が春には美しい花を咲かせるのだと思うと、雨も良いものだなぁと思ったりしています。
さて今回は、先日行われた鬼子母神祭についてです。
法傳寺には多くの仏様や神様が祀られていますが、その中に鬼子母神というものがあります。
鬼子母神と漢字で見れば”鬼”という文字が含まれていて何だか怖そうに思いますが、出産や育児の神として言い伝えられています。
鬼子母神がそのように伝えられてきたのにはこのようなお話があります。
鬼子母神は元々夜叉の子で、とても容姿端麗だったそうです。またパーンチカという神様の妻で、多くの子供の母でした。
鬼子母神は自分の子供達をとても可愛がっていて、その子供達を育てる栄養をつけるために、人間の子供をさらって食べていたそうです。そのため、子供をさらわれた親達はとても苦しみ、また人間達は子供をさらわれることを恐れていました。
それを見かねたお釈迦様が、鬼子母神がもっとも可愛がっていた一番下の子供を隠してしまいました。彼女は嘆き悲しみ、気が狂いそうになる中、世界中を必死になって探し回りましたが見つけることが出来ず、お釈迦様に助けを求めました。
助けを求めてやってきた鬼子母神にお釈迦様は、「多くの子を持ちながら、たった一人を失っただけで嘆き悲しんでいる。ならば、ただ一人の子を失う人間の親の悲しみはどれほどのものであっただろう。親の、子に対する愛情はどんなものであろうと変わりはない。戒めを受け人々をおびやかすのをやめなさい。」と。彼女はその教えを受け、お釈迦様に帰依し、鬼子母神として子供を守り、またお釈迦様の教えを信じる全ての人々を守ると誓いました。そうして、鬼子母神は鬼ではなく、仏教の守り神となり、人々から信仰されるようになりました。また、このことから鬼という字は一画目の点の無い鬼、これは、点つまり”角”を取り払ったとしてそちらの字を使われる所も多いのです。

法傳寺では、3月3日に鬼子母神祭を執り行ない、皆様と共に家族の健康と幸せを願いご祈祷させて頂きました。
鬼子母神祭では御札もありますが、普段身につけられる肌着などをご持参頂き、それも一緒にご祈祷しています。
その肌着を身につけることで様々な災いから守り、御札は身体で痛みのある場所を御札の裏面で擦って頂くことで、身体を健康へと導いていきます。
ご自身の子供さんやお孫さん・家族の事を思い、皆の健康や幸せを願う。誰かのためを思って行動する。とても素敵な事ですよね。
皆様の想いがしっかり届く様、私も一生懸命努めさせて頂きました。
春はもうすぐそこまでやってきています。この願いが皆様の新しいスタートの力になれば、と思います。

 

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