@供養の心としきたり( ー人ー)|||~~~ ナム…葬儀(1)

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第一章 葬儀について
本日の (´ρ)ヘぇー その1 「友引」の日に葬儀を行っても問題ありません。昔は友引などの嫌がられる日を避ける為、「人形を入れる」とか「雨戸を一度閉めてから行う(詳しくは雨戸を閉めて、雨戸を叩く。朝の挨拶「おはようございます」と言って一日が過ぎたものとする)」なんて慣習がありました (´ρ)ヘぇー  
その2
「北枕」とは、北半球に住む者にとっては、頭寒足熱の形でもあり、磁力の関係からも良い形と考えられているんです (´ρ`)ヘぇー
Q1 葬儀と告別式の違い
A 葬儀とは、葬送儀礼の略です。他に告別式と言いますが、本来は意味が違います。そして、現在行われているのは、葬儀と告別式を同時に営んでいるものです。告別式とは、大勢の参列者と共に、故人との別れを惜しむ式典です。
つまりお葬式には二面性があります。
一、読経・引導などによって死者の霊、魂の安住を祈る事。
二、生前つながりのあった人達が故人に別れを告げる式。
一の面を中心に考えれば葬儀であり、二の面を中心にすると告別式となります。
もう一つの分け方を見ると、本葬と密葬の区別もあります。社葬などの場合は本葬が多いようです。
本葬を営むときには、まずごく近親のみで密葬を行い、遺体を荼毘に付します。その後、日取りを改めて関係者に通知して、遺骨を祀って本葬を営みます。
Q2 葬儀の種類と仕方
 
A 「葬」という文字は死体を上と下から隠して見えなくするという意味を持つもので、中国の『礼記』には「葬とは蔵なり。蔵は人の見るを得ざらんと欲するなり」とあります。
インドでは、古くから、水葬・火葬・土葬・林葬(鳥葬)が行われていました。
また、葬法を二種に大別して、湿葬と乾葬に分かつ場合があります。
湿葬には、水葬と土葬があり、乾葬には風葬・火葬・ミイラ葬があります。土葬・火葬・水葬・林葬・野葬を五葬と呼ぶこともあるようですが、このうち林葬と野葬は、風葬に入れられます。
Q3 仏教での葬式はいつから
 
A 経典には、お釈迦様がお父さんや義母の葬儀に立ち会い、自ら引導し、大衆と香を手向けたと書かれています。そのあり方が現在のお葬式の原型となっています。
葬式について説いている経典を引いてみると、『浄飯王般涅槃経(じょうぼんのう はつねはん きょう)』に「同族の人 集まり 香汁にて 王身を洗浴し 布帛(ふはく・布と絹)を身に纏(おお)い 棺に収め 別に師子座(一段高い場所)を設けて 之を安置し 散華 焼香をなす 而して後 仏と難陀(なんだ・釈尊の異母弟)は 前に立ち 阿難(あなん・釈尊の従弟)と羅云(らうん・ラゴラとも言う・釈尊の嫡子)は 後について 浄飯王の金棺(きんかん・金のお棺)を 担わんとせられた。その時 大千世界 震動して 四天王 形を変じて 人となり 棺を担うた。仏は手に 香炉を執って喪前(お棺の前)に進み出で 葬所に引導せられ 仏 大衆と共に 香薪(こうしん・お香のまき)を積み 棺をその上に置き 火を放って これを焚き 後 収骨して 之を金函(きんかん・金でできた箱)に盛り 塔を起して 供養をなした」と説かれています。
    
Q4 葬儀の「しきたり」
 
A 「しきたり」が、できあがった背景には次のようなことが考えられます。

仏教的には、仏様の世界・浄土への旅立ちの儀式
再生・蘇生の為の儀式
神道的には、「死」という恐怖意識から逃れる為の儀式
その他、遺族の心情的なものが考えられます。

一の儀式とは、仏様の世界へ旅立つ為に、お釈迦様に習うとか、仏弟子がお釈迦様に為された仕方を真似て成仏を祈ることです。
二の再生・蘇生の儀式の場合は、エジプトのミイラのように蘇生を願う為の儀式であったり、輪廻思想から起こる再生の為の「しきたり」と考えられます。
三の死者を恐れるという事は、死者に対する恐怖意識から、日常と違った形をする「しきたり」も伝わっていますし、亡くなった人が自分たちを恨み、また祟りを為すのではないかという恐れが色々な「しきたり」を生み出したと考えられます。
四の遺族の心情的な感情からできた「しきたり」も考えられます。
 
Q5 葬儀に友引はいけないの
 
A 最近では、友引を気にする人も減ってきています。けれども友引自体は気にしなくとも火葬場が閉まっている地域もあり、仕方なく葬儀を延ばす場合も多いようです。ですから火葬場が開いている地域では、友引の日に葬儀を行っても問題ありません。
そもそも友引とは歴注の六輝の一つで、相引で勝負なしという日です。それが、俗言で友を引く日として葬式を営むことを忌むようになりました。
友引の日に葬儀を行うと参列者の中には「あの世」に連れて行かれるという様な思いが起こり、よい印象を与えないことも考えられるので、できるだけその日を避ける方法や、それから逃れる方法が考えられました。
その方法として、人形を入れる。雨戸を一度閉めてから行う(詳しくは雨戸を閉めて、雨戸を叩く。朝の挨拶「おはようございます」と言って一日が過ぎたものとする)。昼の遅い時間より始める。などの習慣ができ上がりました。
この事から葬儀には、公共性があると言えます。葬儀には多くの参列者があるのですから、不謹慎に見える形の葬儀は故人にとっても、残された遺族にとっても良いとは言えないでしょう。その為に迷信とも思えることも廃止できずに残ってしまったのです。
 
Q6 遺体安置の仕方
 
A 遺体の安置場所は、仏間か座敷になります。そして納棺するまでの間、遺体を寝かせておきます。その時、遺体をなるべく暖めないようにする為、掛布団には薄いものを用います。
顔は白い布で覆い、両手を胸のあたりで合掌させ、手に数珠を持たせます。
また、その寝かせ方を北枕にします。このように寝かせ直すので、枕直し(まくらなおし)とも言います。
北枕に寝かせるのは、お釈迦様が入滅された形だからです。「頭北 面西 右脇臥(ずほく めんさい うぎょうが)」頭が北で足が南。顔は西向きになります。それに伴って身体も右に向いている状態です。
ただ、亡くなった人を安置する場合、顔は上を向けています。
お釈迦様が入滅された形は「大般涅槃経(だいはつねはんぎょう)」に「阿難よ、私の為に、沙羅双樹(さらそうじゅ)の間に頭を北に向けて床を敷いて欲しい」とたのんだことに始まります。
お釈迦様は、普段から北枕に寝ておられましたから、涅槃の時も同様の寝方をされたのです。つまり北枕とは、北半球に住む者にとっては、頭寒足熱の形でありますし、磁力の関係からも良い形と考えられます。
家で遺体を安置される場合、仏壇やお曼荼羅(まんだら)に頭を向ける方法、もしくは、拝む正面に仏壇やお曼荼羅が掛かっている状態にします。
 
Q7 仏壇や神棚はどうしますか
 
A 神棚は扉を閉じたり、半紙を張るようにします。神道や民間信仰では神様が死を嫌うと信じられているからです。
他にめでたいような飾り物は、仕舞っておく方がよいでしょう。
仏壇は開けておきます。亡くなった人を導いて下さるのは、仏様やその家のご先祖様達なのです。ですから、その仏様や自分のご先祖様をお祀りしてある仏壇を閉めるということは間違っているのです。
それに、仏教では死を「汚れ」と取ることはありませんから、普段よりも増して毎日のご給仕は丁寧にしていただきたいと思います。 
 
★大阪豊能宗務所発行『供養の心としきたり』より★ 

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