今月の掲示板は「如来神力品第二十一」の一節です。
〈如日月光明 能除諸幽冥 斯人行世間 能滅衆生闇〉
訓読では「日月の光明の能く諸の幽冥を除くが如く、斯の人 世間に行じて、
能く衆生の闇を滅す」と読みます。
この経文は日月偈(にちがつげ)とも呼ばれ、僧侶がよく読誦する経文でもあります。
鎌倉時代、日蓮聖人は千葉県鴨川の清澄寺にある旭ヶ森の山頂から、昇る朝日に向かってお題目を唱えられ、立教開宗をされました。
その際に、
我日本の柱とならむ
我日本の眼目とならむ
我日本の大船とならむ
の三大誓願を立てられたことはとても有名です。
日蓮聖人は苦しむ人々を救うために法華経を弘められました。
当時は災害や飢饉により、多くの人々が亡くなったため、浄土信仰(現世は諦め、来世で安楽世界の浄土に生まれ変わることを願う信仰)が盛んな時代。
そのような中、今いるこの世界を生きやすい浄土に変えていこうとされたのが日蓮聖人です。
この掲示板の一節(日月偈)は、法華経の如く生き、菩薩の道を歩まれた日蓮聖人を表現されているように感じます。