平成30年11月の掲示板は「妙法蓮華経 見宝塔品第十一」です。
この章(品)では、お釈迦様の説法中、目の前で大地が割れ、地より巨大な塔が現れ、その塔が空中にとどまるところから話が始まります。説法の場が空中になったため「虚空会」と呼ばれます。
現れた巨大な塔は「多宝塔」と呼ばれ、その中には「証明の仏」である多宝如来がいらっしゃいます。
この多宝如来は、法華経が説かれる所があれば、どんな所でも塔とともに現れ、その説法が真実であることを証明するという誓願を立てています。
そして、姿を見せるためには、無数の分身の諸仏を一箇所に集めるという条件もあります。
塔が出現した際、聴衆を代表して大楽説菩薩がお釈迦様に疑問を投げかけます。お釈迦様は、多宝如来が出現した理由を説き、多宝如来が姿を現す条件である「分身諸仏」を一箇所へお集めになります。
また、お釈迦様は自分の滅後、この娑婆世界で法華経を弘める者にこの法華経を付嘱(委嘱)したいと説かれます。
同時に、自身入滅後の悪世で法華経を説くことはとても困難であり、「六難九易」と呼ばれる説明をもって、いかにそれが困難であるかを説かれます。
全宇宙の分身諸仏が一箇所に集合したことは「釈迦一仏」に統一されることを意味しています。
また、この章で説かれた内容は、これから語られる「久遠実成の本仏」や「娑婆即浄土」の教えが明かされる重要な前提となっています。