🆕令和7年度日蓮宗勧学院中央教学研修会

開催日:2025年07月24日

 この度、下記の要領で開催される日蓮宗勧学院中央教学研修会において、当山住職は、「日蓮聖人における『報恩抄』の意義」と題して講演いたします。日蓮聖人の「報恩の生涯」をふりかえりつつ、師恩報酬に軸足を置いた『報恩抄』撰述の意義を講じます。
 幼少の頃より教えを授かった曾ての師僧、安房清澄寺(現、千葉県鴨川市)の道善房(どうぜんぼう)遷化の報せを受けた日蓮聖人は、建治2年(1276)7月、『報恩抄』(『昭和定本日蓮聖人遺文』1192頁)を撰述します。
 その目的は、恩を知り恩に報いる「知恩報恩」の意義を確認し、自ら実践した報恩の生涯を振り返りながら、恩師ならびに法兄(兄弟子:あにでし)たちに対して自身が辿り着いた法門の極意を開示し、もって恩師への報恩・回向とすることにありました。身延にあった日蓮聖人は、同月26日、弟子の日向(にこう)を使者として、法兄の浄顕房(じょうけんぼう)・義城房(ぎじょうぼう)充ての副状(そえじょう)『報恩抄送文』(同1250頁)とともに本抄を届け、恩師の墓前で奉読させたといわれます。
 本年は、その『報恩抄』撰述から750年目の節目にあたります。このたびの中央教学研修会は「『報恩抄』を読む」を総合テーマに開催し、清澄寺において『報恩抄』全篇を拝読するとともに、その背景を学び、日蓮聖人の報恩思想について研修いたします。
 宗門の伝統を受け継いでいくには、私たち自身の一層の信仰心の高揚と、基礎的知識の修得・研鑽が必要です。各聖の積極的な受講をお待ちいたします。
   記
会期:令和7年7月22日(火)~24日(木)
会場:7月22・23日 大本山清澄寺(千葉県鴨川市清澄322-1)
   7月24日 日蓮宗宗務院(東京都大田区池上1-32-15)
講師(敬称略)・講題:
   7月22日 庵谷行亨「宗義大綱6 霊山往詣」/ 関戸堯海「『報恩抄』全篇拝読」
   7月23日 関戸堯海「『報恩抄』全文拝読」・「日蓮聖人の故郷」(霊跡参拝)
   7月24日 高森大乗「日蓮聖人における『報恩抄』の意義」/ 桐谷征一「宮沢賢治の法華信仰と報恩観」
対象:本宗教師

『報恩抄』真蹟断片(東京池上本門寺蔵)

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