「寿量品に至って実の浄土を定むる時、 此の土は即ち浄土なりと定め了んぬ」
(日蓮聖人の御遺文『守護国家論』)
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我々が住む世界を「娑婆」と言います。
これは、苦しみに耐え忍ぶという意味があり、「忍土」とも呼ばれます。
確かに我々の住む世界は、苦痛が満ちており、安らかな世界には程遠いと考えてしまうこともあります。
しかし、日蓮聖人は、法華経の「我此土安穏」という言葉を多くの信者さんに伝え、この世界はお釈迦様が一緒に住まわれる浄土の世界だと伝えました。
それは、生と死を別世界のものとするのではなく、生も死も生命のつながりであると捉え、現実も死後も浄土につながると考えられました。
この世の中に生きている我々は常に救いの中にあるというお釈迦様の温かさが込められております。
お釈迦様は、我々一人一人を仏の子どもとして見つめられているのだと思います。