8/21団参記その2。ひきつづき東日本大震災慰霊の旅

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昨日に引き続き、大震災慰霊の為に岩手と仙台の寺院を参拝しました。花巻南温泉郷渡り温泉を朝7時半出発、バスで3時間弱かけて大槌町に向かいました。最初の予定では大槌町は入っていなかったのですが、私が無理にお願いして出発時間を早めてもらい組み入れてもらいました。
大槌町は長崎県の僧侶でもありお医者さまでもある、宮村通典上人(先生)が移住してこられた地なのです。
宮村通典上人(先生)の弟さんである「故 宮村通経上人」は、長崎県の大村市にある観音結社の教導でした。うちのお寺「常在寺」が手が足りず数年間苦労している間、土曜日、日曜日にはよくお手伝いを頂きました。「常在寺」は檀家さんの戸数が多いため(現在は1300戸超)、土日にはご法事等が集中します。当時の「常在寺」は寺務員もおらず、随身も一人だけ、住職は長崎県宗務所長を勤めていてとても多忙の為、お経まわりはほとんど私と随身の2人だけで勤めていました。しかも私は長崎県宗務所の書記を勤めていて、「常在寺」の寺務仕事、宗務所の会議と事務に追われ、あまりの忙しさにちょっとノイローゼ気味になり、書記を辞めさせてもらった程でした。その頃土日に通いで助けて下さったのが「故 宮村通経上人」でした。本当に感謝しています。
「故 通経上人」が観音結社に立派な本堂を建立され、日蓮宗から「大法寺」と寺号公称を認められました。その「寺号公称落慶法要」が営まれたのが昨年の3月11日、そう「東日本大震災」の時でした。その法要の時には「故 通経上人」は既に病を患っておられ、ふらふらになりながらも懸命に導師を勤められる「故 通経上人」の姿を見て、参列の寺院住職、檀信徒ともに涙ながらに法要を勤めたそうです。(私は参列することができませんでした。)その後ほどなくして「通経上人」はご遷化されました。私はお通夜では鏧座を勤めさせて頂きました。
そのお兄さんである宮村通典上人(先生)は大震災後、「弟の死、そして自分が僧侶であり医者であること」等の様々な思いがあられて「これは被災地に行くしかない」と被災地である岩手県大槌町に移住してこられ、日々仮設の診療所で様々な困難を抱える患者さん方に向き合っておられます。しかもこの地に「骨を埋める覚悟」だそうです。本当に頭が下がります。このことは各種新聞、テレビ(NHKおはよう日本全国版)等で取り上げられました。
そういうこともありこの大槌町の海岸でどうしてもお題目をお唱えしたかったのです。通典上人(先生)は多忙の為お会いすることが出来なかったのですが、通典上人の奥様と娘さんが「長崎ナンバーの車」で先導、案内して下さり、大槌町の海岸で参拝団一行で「東日本大震災犠牲者の霊位」の為「お自我偈」を唱え、お題目を捧げました。海岸線に立ち並んでいた沢山の家々は津波により全部流され、基礎だけが残っているところがたくさんありました。まだまだ復興はこれから、そして始まったばかりだと思いました。お題目を唱えて涙ぐむ「常在寺檀信徒」の方もおられました。
 
その後は釜石市の「仙寿院」さまに参拝。「柴崎ご住職」とともに「大震災犠牲者慰霊」の読誦、唱題。当時の様子をDVDで見せて頂き、当時の状況の詳しい説明して頂きました。
この「仙寿院」さまは被災者の避難所になり、一番多いときは1200人もの避難者がいらっしゃったそうです。それから人数はだんだん落ち着いたそうですが、700人と共にお寺で生活を始められた時はトイレに行くにも足の踏み場もなく、非常に大変で、最後は47人になった被災者との生活は151日間におよんだそうです。ご住職、ご寺族のみなさま本当にお疲れさまでした。そしてこれからの復興も大変でしょうがどうぞお体に気をつけて頑張って下さい。(お寺の裏山もまだ崩れたままで、これから莫大な資金が必要だそうです。)
ひきつづき遠野市にある北身延と呼ばれる「智恩寺」さまに参拝。近く住職になられる副住職の「西山是文上人」と共に「大震災犠牲者慰霊」の為に読誦、唱題しました。ここ「智恩寺」さまは当時日蓮宗岩手県青年会を主体とする支援部隊の拠点となり、数十名の僧侶が寝泊まりしていたそうです。支援は今でも続いており、今度は仮設住宅に赴き被災者の方々と「カラオケ大会」をするとおっしゃっておられました。被災者の方々は今は「楽しい時間」を求めておられるということでした。西山上人はじめ青年会の方々、被災者の方々の心のケアも大変でしょうが、どうぞお体に気をつけて頑張って下さい。
常在寺参拝団一行はその後バスで3時間弱かけて仙台に向かい、仙台市内の法華クラブに宿泊しました。今夜はいろんな思いを巡らせた長い夜になりました。いよいよ明日は佐渡へ移動します。
※写真は岩手県遠野市智恩寺さま。動画は大槌町海岸にて読経唱題の様子です。
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泰通記

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