(若坊守編)かんむしとり

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 我が家の子供たちが、赤ちゃんの頃からお世話になっている長洲町にある薬局で、小児科医や鍼灸師と僧侶がタッグを組んで「かんむしとり」をするという面白いイベントがあり、主人にお声がかかりました。
 私は小さい頃、非常にかんの強い子だったらしく、母は「ひやきおうがん」(今でもあるのでしょうか?)を飲ませたり、近くの神社の神主さんにかんむしとりをしてもらったようです。

 「かんむし」
西洋医学的に言えば、小児の自律神経失調症から起きる神経異常興奮で、赤ちゃんが理由もなく不機嫌になったりすることらしいですが、昔の日本人は体の中にいる悪い虫すなわち“疳の虫”という虫のせいだと信じられていました。
 赤ちゃんが不機嫌になる理由を親や子供のせいでなく、虫のせいにする、というあたり、日本人の優しい思いからなのかな、と思います。
また儀式をすることは我が子の傍で辛い思いをしている親=母親の安心感に繋がっていたのではないでしょうか。
 本当は私に似てとてもとても疳の強い長女に体験させたかったのですが、なぜかとても嫌がったため、お昼寝中で寝ぼけていた長男に小児鍼をして頂きました。

鍼灸師の先生が、小児鍼という大きな釘のようなはりを使って体の色んな部分をやさしく撫でていきます。
本当に触ってるの?!というくらいやさし~くです。全く痛がる様子はなくむしろ気持ちがいいようでうっとりしていました。小さい頃から気管支が弱くすぐに肺炎になる長男。小児鍼を続けることで免疫力が高まると言われました。
 鍼灸師の先生の治療の後は、主人がお経を唱えながら長男の指を一本一本折り込んでいきます。

小さな手を握りしめる様子、長男も真剣な表情でした。
そして最後は尼僧さんに、額に朱を付けていただきました。
 
 檀家さんから話を伺うと自分たちが小さい頃は主人の祖父母がよく「疳虫とり」をしていたようで、今でもお孫さんやひ孫さんにして欲しいという方がいらっしゃいます。
「疳虫にはひやきおうがんと妙功寺」というお声を頂けるように、私たちもまた小児科医・鍼灸師の先生と共に勉強していきたいと思っております。

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