(若坊守編)戦争体験のお話、ほうろく灸祈祷会

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今年の夏は2回丑の日があり、今日は二の丑の日です。
丑の日に、頭上にあるつぼ、“百会”に灸を据える事で暑気(夏バテ)封じ、頭痛封じに効き、また身体健全を祈るとされています。
 
 
もぐさをおいた“ほうろく”とよばれるこの陶器の器を頭に乗せ、熱さを感じながらお経を聴きます。
かなり熱いですが、終わったあとはスッキリ爽快です。
 
今日は檀家の方々、鍼灸師の先生、近所のおばあちゃん方が集まり祈祷会が行われました。
 
残念ながら私は仕事で最後の方しか参加できなかったのですが、皆さん、熱さを耐え、やりおえた感じが満ち溢れていました(⌒∇⌒)
 
昨年も参加して下さった方は、「去年のほうろく灸のあと一度も頭痛薬を飲まなくて良かったよ」と話されていました。
 
祈祷会の後、談笑していると参加して下さっていた近所のおばあちゃん(御年88歳)が、
「明日は6日だね・・」とポツリ。
聴くと6日に広島、そして9日に長崎にも原爆が投下された際、おばあちゃんは女学兵として働いていた長崎で被爆したそうです。
 
たまたま工場の中で仕事をしていた為、九死に一生を得ましたが、辺り一面焼け野原。
今まで一緒に仕事をしていた仲間は殆ど亡くなったそうです。
急いで防空壕に避難しましたが、運ばれてくる怪我人もすぐに亡くなってしまい、それでもあとからあとから運ばれて来る人たちのために遺体を担いで外に出したのだとか。
 
4歳でお母さんを亡くしているおばあちゃんは、山裾にある実母のお墓にお参りにもいけないほど怖がりだったのに、その体験をしたあとは、お墓の前で眠るのだって簡単にできる、と思えて、こんなに人の気持ちを変えることのできる戦争は恐ろしい、と心底感じたと話していました。
 
「若い人は知らないから、きっとまた(戦争)を始めてしまうんだろうね」と。
 
世の中はものすごい速さで進み、今までの当たり前が次の瞬間にはそうではない、ということも多くあります。何が良くて悪いのか、シンプルなものでさえも分からなくなっているこんな混沌とした世の中だからこそ、支えとなる教えを自分自身深め広め、そして支えとなる場所を作っていきたいなと感じた時間でした。
 
少し話がそれましたが、今夜の19:00~も ほうろく祈祷会開催致します。
ご都合つかれる方は是非脚をお運び下さいませ。

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