本堂の幣束※を新しくしました。
本来なら年末にしなくてはならなかったのですが事情があり遅くなりました。
お寺でご弊?と思われるかもしれませんが、本宗でご祈祷(修法)を修するお寺では見かけることが多いと思います。
幣束は、和紙を作法に従って切り、開いて折り様々な形にして、神仏の前に立てたり、吊り下げたりするもので、上写真は10種類あり、作成にあたっては当寺は3種類の大きさの和紙を使用しています。このほか地鎮祭や家祈祷、年中行事の星祭や大黒天大祭等、祈祷を修するときはその都度目的に応じた幣束を作成します。基本は白い和紙ですが、五色(緑黄赤白紫)の色紙を使用することもあります。
(界縄)
(ご宝前上の連弊と本迹弊)
和紙を折って切るところから始める幣束の交換はなかなか大変な作業で2~3日かかりますが、交換されて真っ白になった幣束を見るととても清々しく、気持ちが引き締まります。
※幣束(へいそく)
幣束は昔から神の乗りものとされているが、幣を開いた形が人の衣帯を着けた姿に似ているからだといわれる。
しかし幣は、それぞれの意味を持っており大別すると、
①幣串の有るもの(大部分の幣束)
②弊串の無いもの(道場の荘厳と邪気を防ぐための注連幣)
に分けられ、これを更に細分すると、
①神の乗輿としての幣(一般の幣束)
②祈祷修法用の幣(身延積善坊流で使用)
③五段の霊気を乗せる幣(それぞれの祈祷、あるいは修法得脱の霊供養のためのもの)
④本尊荘厳のための五段幣(御宝前荘厳に御本尊の脇に並べる)
⑤道場荘厳のための注連幣(道場厳浄のためのもので、その一つは御宝前上に下げる連幣等の注連幣、その二は祈祷法座の上に挙げる界縄で、十方よりの邪霊気を防護し修法師及び祈願主を守る)
⑥修法の一つの要具としての幣(主に寄祈祷で使用)
があり、これらの幣束は一般に「法華神道幣束」といわれ、本宗では修法の相承に『法華神道幣束之巻』があり、100種類以上の図示がある。また更に同じ意味合いの弊でもその形が数種類あったりもする。
寒100ヵ日間の本宗加行所(大荒行堂)の再行(2回目の修行)は「幣束相承」と言われ、幣束について正伝師猊下より門外不出、口伝による相伝が行われる。
(日蓮宗事典参考)