5月26日、岡山仏教テレホン相談室の内部研修会が開催されました。
昨年に引き続き、「アーバンホール西川原」を会場としてお借りし、各宗派の葬儀に関する勉強会が行われました。
昨年は、曹洞宗と真言宗による模擬葬儀が実施されましたが、今年は浄土宗と日蓮宗の葬儀が取り上げられました。
最初に、浄土宗の模擬葬儀が実演されました。
導師は浄土宗圓常寺のご住職が務められ、深みのある声で儀式を進めながら、仏の徳を称える唄を唱えられました。
儀式の流れや意味を解説した資料も配布されましたが、やはり宗派が異なると、理解しづらい点が多くあると感じました。
儀式終了後には質疑応答の時間が設けられ、他宗派の僧侶の方々から多くの質問が寄せられました。
そのやり取りを通して、宗派ごとに立場や考え方に違いがあることを改めて感じました。
休憩を挟んで、後半は日蓮宗の模擬葬儀が行われました。
導師は大覚寺住職・大野貴正上人、脇導師は妙龍寺住職・松下祥真上人、資料作成および解説は呑海寺の内田智教上人が担当されました。
日蓮宗の葬儀は、日頃から私たちが親しんでいるものですが、導師・脇導師お二人の声明の声がよく揃っており、非常に荘厳な雰囲気が感じられました。
儀式終了後の質疑応答では、多くの質問が寄せられました。なかには予想外の質問もあり、特に印象的だったのは、浄土宗の方からのご質問です。
「浄土宗では本尊の位置を西と定め、棺の頭が北を向くように安置しますが、日蓮宗では棺の向きについて何か決まりがありますか」というものでした。
これに対して、「日蓮宗では『娑婆即寂光』というように、この世そのものが浄土であり(浄土となるように私たちが努めなければならない)、西方浄土というような特定の方向に極楽浄土があるという考え方ではないため、棺を置く方角について厳密な規定はありません」とお答えしました。
そのほかにも、儀式の意味や声明に関する質問などがあり、私たちが日頃気づかないような視点からのご質問も多く、大変学びの多い機会となりました。
この内部研修会は、来年もまた宗派を替えて開催される予定です。