七月 なまぐさ説法

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パラレルワールドな法華経                                   平成30年7月

あっという間の一ヶ月ですが、色々な事がありました。
まずは大阪を中心とした大地震で、災害に遭われた方へお見舞い申し上げます。
久しぶりに我が寺も揺れました。雷も大きい音で鳴りました。お釈迦様は環境が乱れて災害が起こるのは、衆生の心が乱れている証(あかし)と言われています。
兵庫県立大学 環境人間学部に環境宗教学いう授業があります。同大学の名誉教授であられます、日蓮宗の僧侶 岡田真水(真美子)教授が立ち上げられたものです。環境は宗教と大きな関わりがあると言う観点から研究していく授業です。まさに自然環境と我々の心は繋がっているものだと思います。
また、明るい話題としてサッカーワールドカップ決勝トーナメントに進出した日本が見逃せないですね。
実は法華経の世界でも戦いはしませんが、こういうオールスター総出演というシーンが出てきます。
法華経第11番目の見宝塔品です。22番目まで続くそれぞれの章のシーンはダイナミックに驚きの世界に包まれます。
最近よく言われているパラレルワールドの世界が描かれて行きます。パラレルワールド(parallel world)とは、ある世界(時空)から分岐し、それに並行して存在する別の世界(時空)を指す。並行世界、並行宇宙、並行時空ともいいます。
「異世界」、「魔界」、「4次元世界」などとは違い、パラレルワールドは我々の宇宙と同一の次元を持つSFの世界でのみならず、理論物理学の世界でもその存在の可能性について語られています。
お釈迦様のおられた3000年ほど前にこの世界に似たシーンが出現します。まず多宝如来(日蓮宗のお仏壇の二仏並座という仏様がお二人一番奥に並んでおられますが、その向かって右側が多宝如来様です。向かって左が御釈迦様です。) ものすごい大きな音を立てて大地から出現してきた塔が空中に浮かび、(ジブリの天空のラピュタを想像してください。)塔の中から多宝如来様が出現されて、この法華経は真実であると宣言されます。
続いて我々の住んでいる娑婆世界が全て浄土になり、並行して存在するその他の世界で悟って仏になられたお釈迦様の分身仏(つまりはそれぞれの世界のスーパースター達です)たちが集められ、お釈迦様に手を合わします。お釈迦様は塔の中へ入られ多宝如来様に右の上座を譲られ一緒に並んで座られます。
そこにおられた他の聴衆者は一緒に空中に押し上げられて、御釈迦様の亡くなられたあとにこの法華経を護持するように誓いなさいと三度勧めます。なんか架空の世界のように思いますが、まさに信仰と受け止めることが出来れば可能である世界です。
この世は、見えている世界だけで出来ている訳ではありません。見えていない、今まで経験もしたことがない世界が必ずあるのです。一人の人間が、一人の他を思って良くしてあげたいという心がこの世界を良くする方向に導きます。そういう世界がこの法華経の世界です。
                                           法華寺 霊神祭引用

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