十月 なまぐさ説法

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*投稿が遅くなってしまいましたが、今月のなまぐさ説法をアップしておきます。
 

仏教とキリスト教                               平成30年10月

 合掌 今年もあと三ヶ月になりました。というのは気が速いですが、4分の1が過ぎたということですね。月日が経つのが速いと思うのは私だけでしょうか。ちょうどこの説法が届く頃に大型の台風が迫ってきている頃です。今年は災害の多い年になりました。何事も無ければいいのですが。
 さて今月はキリスト教と仏教の違いをお話ししましょう。国や民族を超えての観点から世界三大宗教と言えば、仏教・キリスト教・イスラム教と言われます。
キリスト教といえば旧約聖書と新約聖書があります。旧約聖書はユダヤ教の聖典「タナハ」をもとに書かれたキリスト教の正典です。旧約とは新約のキリスト教の立場からの言葉で、ユダヤ教ではこれが唯一の聖書です。神が七日間で世界を創ったという創世記に基づく天地創造と人間の堕落が語られます。有名なノアの箱舟・バベルの塔の物語が続いていきます。
新約聖書はキリストが誕生して、その生涯と言葉が語られます。旧約と新約の大きな違いは我々と同じ人間キリストの存在です。この新約聖書は仏教に大きな影響を受けたのではないかと思える箇所があります。仏教も我々と同じ人間ブッダの存在です。
 仏教はインドで始まり南(スリランカ・ミャンマー・タイ・カンボジア・ラオス)へ伝わり原始仏教となりました。また北方に伝わったガンダーラ経由で中央アジア・中国・朝鮮・日本が最終地点となります。またチベット経由で蒙古・満州に伝わった流れもあります。
 では西へは伝わらなかったのでしょうか?欧州へ伝わったという流れはなかったのか。
ギリシャのバクトリア王国のミリンダ王とインドの僧侶である那先(ナーガセーナ)との対話が記録されています。イランでは3世紀にゾロアスター教と仏教とキリスト教を取り入れたマニ教が存在します。19世紀から20世紀にかけて、西洋の学者たちが仏教とキリスト教(特にルカ福音書のキリスト教)に深い関係が実際に存在するということを否定すべきでないと結論づけました。
ブッダの母はマーヤ。キリストの母はマリヤ。ブッダの父は浄飯王(じょうぼんのう)キリストに父はいませんが、一番近い存在がジョンバンヌ。何か似ていませんか?
キリスト教は仏教より千年後に誕生しています。西洋に誕生した「薔薇十字仏教」という存在があります。これは僧侶として出家し、キリスト教も習われた西川隆範(にしかわりゅうはん)著の本でも詳しく述べられています。その薔薇十字とキリスト教が繋がっていくのではないかという物語は、何か西洋の教えと仏教の深い関わりが考えられます。キリスト教も身近に感じていきますね。そういえばキリストの十字も仏教の卍に似ています。
明治時代に廃仏毀釈という憂き目にあった仏教ですが、その明治時代にヨーロッパの仏教が伝えられて新たな仏教理解の可能性が開かれていきました。教団の教えというよりも個人個人が自ら真実の教えを探求する時代になってきています。求道心から教えを求める時代です。その求道心が病気・生活苦等諸々の苦しみから発することを考えれば、またそれも本当の苦では無くなります。
秋の夜長にその世界を探求してみてはいかがでしょうか。
                                     法華寺霊神祭引用
 

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