十二月 なまぐさ説法

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今いるこの世が本当の浄土!            平成29年12月
  本年も後僅かとなり気ぜわしくなる時期に入りますね。寒さも一気に厳しくなります。体調管理、健康に気をつけなければいけないのもこの時期です。
 神奈川県座間市において痛ましい事件が起こり まし た。しかもあまりにも残酷で薄気味悪 い事件でした。過去にも似たような事件はありましたが、ここまで多数の殺人は覚えがありません。被害者のご家族の心中をお察しいたしご冥福をお祈りいたします。特に今回は「SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)で死にたいと呟く女性の存在」がこの事件が明らかにした社会問題と錯覚しそうなほど、容疑者の本当の姿が見えてきません。
 本年の十月までの自殺者は18180人です。一番多いのは東京の1852人。続いて神奈川県1080人。大阪府1080人。一番少ないのは人口比もありますが、鳥取の82人です。驚くべきことは、全国でゼロの県がないことです。一番多かった平成15年の34427人よりは減少傾向にありますが、何が原因でしょうか。
 学校問題(学業不振・進路の悩み・いじめ)男女問題(失恋・交際の悩み)経済・生活問題(生活苦・多重債務)健康問題(うつ病・身体の病気)勤務問題(仕事の疲れ・職場の人間関係)家庭問題(夫婦関係の不和・家族の将来悲観)これらの要因が連鎖して自殺という行為に移るのでしょう。多様かつ複雑な原因、要因、背景を含んでいると言えます。人間の本能は亡くなる時に息を引き取るというくらい、最後の最後までこの世に残りたいという欲の本能があります。一番悲観視する大震災が要因の自殺というのは意外に少ないのです。大震災直後は先行きの不安から自殺を選択される方もあるかもしれませんが、前向きにもう一度頑張ろうという気持 ちが働くのも、全国から来られるボランティアや支援される方のおかげかもしれません。
 我々は奇跡的にこの浄土に生まれてきたと妙法蓮華経では教えられています。亡くなってから浄土に行けるという浄土系の教えとは正反対ですね。
 妙法とは不思議な教え。不思議な教えとは蓮華のようなものです。蓮華は花果同時(けかどうじ)と言って、花と果実が同時に成ります。世界中のどの植物を比較してもそのような植物は見当たりません。一般には花が咲いて花が散ってから果実が成ります。そして蓮華は汚い泥水のような池で綺麗な花を咲かせます。これは、人間の煩悩(自分だけが良くなりたいという欲望)と菩提(人を救いたいという気持ち)が同時に心には存在しているという意味と、冷たくて汚い世間でもボランティアで働く方達や他のために働こうとしている人々の様に、素晴らしい心は必ず誰にも存在するという例えになります。そしてこの事は遠い過去より遠い未来まで永遠 に続いているという言葉が妙法蓮華経です。そして我々はこの言葉に同感し尊重するという意味の南無を付けて南無妙法蓮華経と言います。辛い時は必ずネットの見ず知らずの人ではなく、友人か信頼できる人、または家族の誰かに打ち明けてください。その行為がすべての人を救う結果となるのです。
                                                                   法傳寺霊神祭より引用

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