一月 なまぐさ説法

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明けましておめでとうございます

最後の元号の年である平成30年を迎えました。正月の正には改めるとかきちんとするという意味が含まれています。正装はきちんとした服装を意味すること同じです。年の初めの月であるとともに、旧年が無事に終わったことへの感謝の心を込めてありがとうと声を掛け合います。
また、その年の農作物が実り豊かなものでありますようにと、この一年間家を守ってくださる歳神様(としがみさま)をお迎えしてしめ縄(七五三縄、注連縄とも書きます)をかけ神聖な場所となるようにと心がけます。身内のみで厳(おごそ)かにお正月三が日、七日までを過ごすのが常ですが、最近は事情が変化してきました。二日から店は開かれ、バーゲンとか福袋を買いに繰り出される方も多いのでは。年賀はがきの形態も変化してきました。メールやラインで送られてくることも多くなってきましたね。年賀状に元旦と書かれることもありますが、年の初めである一月一日を元日と言い、元旦は元日の朝の事だけを言います。元は一番初め、旦は字の上の日が太陽を示し下線は地平線を示します。太陽が地平線から昇ることを表す漢字ですので、日の出を意味します。縁起物である門松は神を待つという意味があります。竹や梅と共に健康長寿の象徴です。門の前に松を置き、その松を目印に神様が降りてくるとされた風習が今でも残っているのですね。神聖な場所を示すしめ縄も、その起源を辿れば天岩戸に隠された天照大神(あまてらすおおかみ)が、みんなの楽しい様子を見て岩から出て来られたところを見計らって、もう二度とこの岩戸に隠れられないように立ち入り禁止の意味でしめ縄をかけられたという言い伝えがあります。しめ縄をかけた中が神聖なのか外が神聖なのか良くわからなくなったような気がしますね。
もう、おせち料理も家で作られることも少なくなってきましたね。手軽に立派なおせちがデパートや料理屋さんに用意されています。
おせちのせちは節(せつ)と書き節日(せちにち)は季節の変わり目に当たる日を指します。古来節日には節会(せちえ)というお祝いの会が催されていました。この中でも元日を一番重要な日とされていましたので盛大に催される元日の料理を「おせち」と呼ぶようになりました。この風習が現代にも残り、お正月の松の内に家族で食べるようになり、年賀に訪問されるお客様をもてなす料理にもなったのですね。
料理のすべてに意味があり縁起の良いものとされています。黒豆は一年を通じてマメに働くことができるよう健康を祈る意味に。きんとんは金団という漢字で富を得ますようにと縁起を担ぎます。昆布巻きは喜ぶの語呂合わせ。お重に入れるのはめでたさを重ねるという意味になります。
そして最後はお餅。昔は縁起物としてお祝い事の時しか食べませんでした。お正月のお供えである鏡餅も平安時代より続き、その場所に新しい歳神様(としがみさま)が宿り福がくるようにと願いました。この餅の形が神が宿るとされる銅鏡(どうきょう)に似ていることから鏡のような餅と言うようになりました。餅の上に飾るだいだいは代々家が繁盛するという語呂合わせで子孫繁栄を示し裏白(うらじろ)と呼ばれるシダの葉は表は緑色ですが、裏が白いので心に腹黒さがなく白髪になるまで共に過ごすという夫婦円満、家庭円満の意味があります。切るとか割るという言葉を嫌い、開くという言葉を使い鏡開きがあります。仏教の場合は生まれた時から守護神(俱行霊神)は俱わっていますので、どんな時にも心に仏様がおられます。新たな気持ちは大切ですが、心動かさず穏やかに新年をお迎えくださいね。
                                                                   法傳寺霊神祭より引用

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