皆さんは『日本山妙法寺』をご存知でしょうか。藤井日達(にちだつ)師という方が開かれ、徹底した非暴力主義の平和運動を、積極的に展開されている法華系の僧団です。
黄色いインド風の僧衣姿で、お題目を唱えながら団扇太鼓を響かせる行脚隊を、何処かで一度は見掛けられたことはないでしょうか。
日達師は、大正7年中国遼陽に最初の日本山妙法寺を開創して以来、中国各地をはじめ国内外に次々と開かれました。昭和6年にはインドに渡り、インド独立の父マハトマ・ガンジーと交流されています。
日達師が世界平和を祈願して、世界各国に建立された仏舎利塔は、優に70を超えるそうです。
そして、毎年この時期に行われる「2013 東京~広島・長崎平和行進」は、4月28日千葉県清澄山にて結団式を勤め、6月8日には東京夢の島「第五福竜丸展示館」を出発。8月6日の広島到着を目指し、動き出しました。
また、今年は日蓮聖人が安房国東条の地で、地頭の東条景信に襲われた小松原法難から第750年の御正当を迎えるにあたり、立教開宗会の4月28日には、小松原法難の御霊場の地である鏡忍寺を報恩参詣しました。
日達師が日本山熱海道場で御遷化されたのは、昭和60年(1985年)のことですから、今からもう30年近く経ちますので、この平和行進の歴史は大変長いものになります。
私は日本山の皆様との御縁を頂戴し、その長い長い足跡の、つい最近のほんの僅かな期間ですが、ご一緒させていただいております。明日は京都(京都府庁~京都市役所~頂妙寺内真浄院様~西ノ京児童公園)、来週には奈良~大阪を歩かれます。多くの皆様のお題目の声で毒鼓(どっく)の御縁をいただき、一人でも多くの方が仏法と結ばれますことを祈念して、今年も是非参加したいと思っております。
そしてたとえ派は違えども、同じ志を持った宗祖の弟子として、正法を弘める“諌臣”であり、“爭子”でありたいと思っております。
諌臣※(かんしん)国に在れば、則ち其の国正しく、
爭子※(そうし)家に在れば、則ち其の家直し、
国土の安危は、政道の直否※に在り、
仏法の邪正は、経文の明鏡※に依る。
【宗祖御妙判 北条時宗への御状より】
※諌臣…主君の悪いところを諌める家来
※爭子…親の不正を諌める子
※直否…嘘や誤魔化しがあるかないか
※明鏡…曇りのない鏡
平和は技術や機械を用いて作らるるものではありませぬ。平和は人の心によって作らるるものであります。人の心をして平和に作らしめんがためには、まず人の心を平和に導かねばなりませぬ。人の心を平和に導くには、平和の宗教を信受せしめねばなりませぬ。
宗教の信仰は、尊容を瞻仰※(せんごう)することより始まり、礼拝することとなり、歓喜心を生ずることとなります。そのために本尊を必要とします。平和の本尊は御仏舎利塔であります。
【日本山妙法寺 藤井日達山主法語 要文より】
※瞻仰…尊敬の思いをいだいて、あおぎみること
☆画像は、渋谷道場にて武田隆雄師と