誰でも分かる~立正安国論を学ぶ ⑧~

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客は言います。もし仏が禁(いまし)めている謗法(ほうぼう)の者を絶滅しようとするには、涅槃経(ねはんきょう)に説かれているとおりに首を切ってしまわなければならないのでしょうか。もしそうならば、殺害は殺害を生み、罪業(ざいごう)を重ねるばかりではないでしょうか。
 主人は答えます。貴殿は謗法を禁ずる涅槃経の明らかな経文を見ながら、まだその様な疑問をいだいてるのですか。私の意図が十分に届かないのでしょうか。 この経文の意味するところは、仏弟子を禁(いまし)めるというのではなく、謗法の罪を責め、それを除こうというのであります。そもそも謗法を禁断する方法 として、昔の事跡を語ると仙予王(せんよおう)や有徳王(うとくおう)のように謗法者(ほうぼうしゃ)の命を断ったことを紹介しましたが、今の世での釈尊が教えるのは、謗法者に対して布施をしてはならないという事です。そうでありますから、ただちに日本国中の人々が謗法の悪に対する布施を止めて、正法に帰依したならば、どのような難も起こる事はありませんし、どのような災いも起こる事はありません。

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