11月14日、京都市上京区本山本満寺(伊丹日章貫首)で、宗祖御降誕八百年慶讃鐘楼堂保存修理工事円成奉告式並宗祖日蓮聖人第740遠忌報恩御会式法要が行われた。
鐘楼堂前で行われた奉告式では、冬空の下、風が吹く中の寒い日であったが、野外にも関わらず僧侶・檀信徒・関係者約50名が参加し、当山総務の伊丹瑞栄師(大阪市雲雷寺住職)が伊丹日章貫首の名代として導師を勤められた。
式中には、修理をされた鐘楼堂に檀信徒を代表し総代役員が上がり、梵鐘を撞き境内は下より近隣にまで響き渡らせた。
導師の回向文中にも「梵鐘と申すは法華経の文に佛音甚稀有とあり梵鐘の音は佛音なり。また佛音とは神聖にして清浄なる浄音なり。此の浄音の響きを聴聞する者一切の苦しみから悟りを開く功徳あり。近隣に住まうる諸人もまた現世の苦しみを和らげ何時しか悟りを開ける佛縁となるようにと。これ梵鐘を鳴らす由縁なり。」と、梵鐘が建立当時から現在に至るまで、更には未来にまでも続く、多くの人々が悟りを開き佛縁を結ぶ大切な役割であると力強く読み上げられた。
この鐘楼堂についての歴史については資料が残されておらず、保存修理に関わった株式会社匠の桃井繁也代表取締は、瓦には宝永との記録が残されていた為、三百年以上の歴史はあり、現在は京都府暫定文化財に指定されているとお話いただいた。
奉告式後には、本堂にて伊丹日章貫首が導師を勤められ、宗祖日蓮聖人第740遠忌報恩御会式法要が行われた。
奉告文では、報恩の誠を捧げるとともに、平成30年9月に発生した台風21号によって、鐘楼堂の屋根・瓦が大きく破損したことに対し、宗祖御降誕八百年の慶讃に当たり、「自らの思いを仏祖三宝に捧げ奉る為」にと保存修理工事を決心したこと等が読み上げられ、参拝者一同は伊丹貫首の本山本満寺更には宗祖日蓮聖人に対する思いを拝聴し感銘を受け、異体同心の思いで静かに手を合わせ、法華経を読誦しお題目を唱えた。
法要に参加した檀信徒は、「伊丹貫首の姿を久しぶりに拝見できとても嬉しかった。お元気そうで安心しました」「記念品で戴いた著書「仏法」を帰宅後楽しみに読みます」と笑顔で帰路につかれた。
伊丹貫首は、宗祖御降誕800年慶讃に合わせ、著書「仏法(苦しみを喜びに変え本当の得るための法たった一つの人生の目的とは 本当の幸せを得るための法)」を有限会社逢人舎から出版された。初めて仏教に触れる人、もう一度仏教についておさらいしたい人、そして今を生きるすべての人に贈る仏教入門の決定版として執筆された。