6月18日(金)京都市下京区林昌院(河上正昌住職)にて赤穂浪士四十七士の一人小野寺十内秀和の妻丹さんの歌碑除幕式が執り行われた。
6月18日は丹さんの319回忌にあたり林昌院にて年回法要が行われた後、林昌院が管理する旧了覚院墓地に参列者皆で移動した。墓地では河上住職導師にて読経が始まり歌碑が除幕
された後は東京都吟剣詩舞道総連盟理事長 吟詠精進会主幹 毛塚静精氏による碑文朗詠が行われた。
小野寺夫妻は夫婦で歌人としても知られている。丹さんは夫が亡くなった後は食を絶って自害したと伝えられ、妻の鏡として「丹女会」もできるほど崇められていた時代もあった。
松の廊下の事件から切腹までのおよそ二年間を離れて暮らした十内と丹さんは、手紙のやりとりで夫婦の絆を強めていったかのよであるこの句が歌碑に刻まれました。
「筆のあと みるに泪の しぐれきて いひかへすべき ことの葉のなし」(あなたのお手紙を拝見するにつけて、抑えようもなく涙が流れます。もはや、あなたと私の間では、お約束を交わすことさえできないのですね。)
赤穂浪士四十七士の人物や経歴は詳しく研究されているが、事件によって大きな運命の転換を強いられたであろう義士の家族達については語られる事も少ない。しかしこのように知っていく事で興味を持って頂ければこれほど嬉しい事はない。